映画「愛と青春の旅立ち」

先週18日の深夜にテレビ放映していて、またまた見てしまった。邦題からは爽やかで甘ったれた青春ドラマを連想させるけれど、骨太で、なかなかよくできた映画。他人を信じることができない孤独な主人公が、海軍士官学校のきびしい訓練の過程で人間的にも成長していくストーリー。個人的にはベストテンに入る映画で、何度見ても面白い。(原題直訳は「士官と紳士」。士官になるには紳士たれ、ってことかな?)。
登場人物たちは先行する「物語」(父の物語、母の物語、兄の物語)に縛られながらもそこから逃れようともがいている。歴史は繰り返す、と言ったのはマルクスだが、繰り返されるのは「物語」であり、そこから逃れたとき、はじめて自分自身の「歴史」を刻むことになる。人間はいかにして繰り返される物語の運命から解き放たれることができるのか?
リチャード・ギアの出世作。鬼軍曹ホーリーが良い。(n.m.)
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# by matsuo-art | 2008-09-24 22:02 | 映画  

ブルータスカーサ「新装版 柳宗理」

デザイナー柳宗理の特集。有名なプロダクト製品だけでなく、あまり知らなかった公共物のデザインや、雑誌「民藝」に載せた文章なども紹介されていて充実した内容。特にジャスパー・モリスンが初めて柳のカトラリーに出会うという企画は秀逸で、「ジャスパー・モリスンは柳を知らなかったの?」と思って読んだら、この記事は8年前の話。今では何度か実際にも会っているようで「最も影響を受けたデザイナー」と言わしめている。日本を代表するデザイナーが海外の第一線で活躍するデザイナーにこのようにリスペクトされていることを知ると、なんだかこちらまでうれしくなってくる。
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家には柳宗理のカトラリーとケトルがある。カトラリーといってもスプーンとフォークが2本ずつ、バターナイフが1本あるだけだが、特にスプーンはお気に入り。特徴のある三角形っぽいかたちの美しさはもとより、使い勝手も抜群。一見普通のスプーンに比べて面積が小さいように見えるがそのようなことはなく、口にあたるカーブの具合がとても良い。つや消しのステンレスケトルも機能性から来る四角ばった造形美と質感が絶妙。買った当時は6000円くらいで、デザインの優秀さに比して安い、と思った。

携帯電話などの花形デザインに惹かれるのも良いが、プロダクトデザイナーを目指す受験生にはこのような生活に密着した優れたデザインに、ぜひとも目を向けてほしい。(n.m.)
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# by matsuo-art | 2008-09-21 18:53 | デザイン  

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松尾美術研究室のブログを始めました。

松尾美術研究室は、神戸、元町で芸大美大入試の実技指導をしています。
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# by matsuo-art | 2008-09-20 21:21