ヨコハマトリエンナーレ2017-島と星座とガラパゴス、その他 その1

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8/29-30の2日間にわたって東京(横浜、埼玉)にいくつかの展覧会を観に行ってきました。

まず最初は、横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫などで開催されている「ヨコハマトリエンナーレ2017-島と星座とガラパゴス」です。
思えば、ヨコハマトリエンナーレは、前回、前々回などここ数回連続で観ています。今回は3会場、39組の作家が出品しているとのことです。
事前にコンセプトや出品作家などの知識を持たないまま、全く白紙の状態で何となく観に行ってみた、という感じだったのですが、いくつか面白い作品に出会うことができました。

中国出身の作家アイ・ウェイウェイの作品です。今回の展覧会を象徴するかのように横浜美術館の建物正面に、救命胴衣とゴムボートが多数貼付けられていました。
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イギリス出身の作家ケイティ・パターソンの化石を丸く削ってつなぎ合わせたネックレスです。
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イタリア出身の作家タチアナ・トゥルヴェのインスタレーションです。何色かのシートが重ねられた上に、彩色された段ボール(?)の掘建て小屋のような仮設の居住空間が設置されていますが、ひとつひとつの素材の扱いと、空間を構成する際の手並みに非常にセンスとユーモアを感じて、見飽きませんでした。
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アメリカの作家ロブ・プルイットの、大判のカレンダーの升目にアーティスト、ミュージシャン、文学者などの誕生日と命日、記念日などをイラスト入りで緻密に描き込んだ楽しい作品。
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マレーシアの作家アン・サマットの作品「酋長シリーズ」。ほうき、ねじ、スプーン、毛糸、ジャーレン、蚊取り線香など、日常品ばかりで作り上げた壁掛けの立体作品。これも細部の隅々にまで様々な工夫がされている様子を見るのが楽しく、じっくりと見入ってしまいました。
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デンマーク出身の作家オラファー・エリアソンの作品「Green Light-アーティスティック・ワークショップ」。近年評価が著しい作家ですが、今回の作品は様々な立場の人々がともに学び、ランプを組み立てるという行為を通じて交流するためのワークショップを紹介するもの。提示された作品そのものとともにその思想的な部分も含めて理解しなければならないでしょう。
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その2に続く。(Y.O.)
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# by matsuo-art | 2017-09-10 13:22 | 展覧会  

「抽象の力ー現実展開する、抽象芸術の系譜」展 / 豊田市美術館

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豊田市美術館(愛知県)に「抽象の力ー現実展開する、抽象芸術の系譜」展を観に行きました。
当日はこの展覧会の企画構成者の岡崎乾二郎氏による講演もあり、そのいつもながらの対象への多面的な捉え方と補助線の引き方のオリジナリティー、そして歴史の細部への目配りのおかげで、このユニークな展覧会への理解を深めることができました。

この展覧会は、豊田市美術館のコレクションを中心に一部外部からの作品を加えて構成し、20世紀はじめから戦後までの、今まで通説とされてきた抽象芸術の系譜を組み替えようとするラディカルな試みです。ただ、展示された作品を一瞥しただけではこの展覧会の意図を理解することは難しいと思います。そのため、カタログに岡崎氏による長い論考が載っています。(カタログに記載の論考は展覧会専用のウェブサイト上でも読むことができます。)その内容は一度に咀嚼できない大きさと多面性を持ちますが、私なりに非常に強引にその要点を挙げれば、

1)キュビスムが抽象芸術の起源とは必ずしも言えず、抽象はむしろ象徴主義や神秘主義、あるいは数学など自然科学の影響下に誕生したこと
2)また抽象芸術誕生の前段階としては、フレーベルらによる幼児教育と彼らによって考案された教育玩具の存在があったこと
3)一般にヨーロッパの芸術運動の模倣あるいは亜流と見なされてきた日本の前衛芸術の運動を、世界史的にとらえ直すことによってその同時代性、先見性を明らかにすること

などが言えると思います。
他にも、ダダイズム、手工芸、女性芸術家、ヨーロッパの中心ではなく”周縁”が出自の芸術家の存在などに注目することによって、現実と直に関わる方法としての抽象、そしてそれが現在も有効であることを明らかにしようとしているのではないかと思います。

講演で岡崎氏は、いろいろな制約があって氏が重要だと思う芸術家の何人かの作品が展示できなかったこと(その中には抽象絵画の”本当の”創始者といえるスウェーデンの画家 ヒルマ・アフ・クリント も含まれていたとのこと)、また演劇や映画などのジャンルを十分にカバーできなかったことを言っていましたが、展覧会の中で網羅できなかった部分の論考は近日中にウェブ上で完全版として公開されるとのことでした。

展示作品の中でとりわけ個人的に観られて良かったと思ったのは、元・「具体」の画家である田中敦子さんの非常に大きな作品です。一番最初の部屋に象徴的に展示されており、しばらくの間近くに寄ったり離れたりしながらじっくりと観ることができて良かったと思いました。
(田中敦子さんの作品は、現在、兵庫県立美術館の常設展示室におけるテーマ展示 "Out of Real"でも、初期のドローイングを含め何点か観ることができます。)(Y.O.)

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# by matsuo-art | 2017-05-15 16:12 | 展覧会  

海北友松 展 京都国立博物館

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海北友松(1533~1615)は狩野永徳、長谷川等伯と並び称される桃山画壇の巨匠として、私が若い頃には日本美術の画集に必ずその作品が掲載されていた絵師。ただ最近は若冲や長沢芦雪などが注目されるようになったのとは反対に存在感が弱くなっていて、このまま歴史のスポットライトからはずれていくのかな、とも思っていた。一時期歴史の中に存在を埋没させていた若冲が浮上したのと入れ替わるように歴史から消えていく?と余計な心配をしていた折からのこの展覧会。私自身、その名前を知っていても実作に触れたことはほとんどなかったので、良い機会だと思い行ってきた(5/21(日)まで、京都国立博物館)。

4月29日、土曜の祝日に行ったので混んでいるかと心配したが、観客は少なくまばらで鑑賞条件としては非常に良好。金・土曜は夜間観覧が夜8時まで行われているので6時過ぎに入館して8時までじっくり鑑賞することができた。 

その生涯についても知らなかったのだが、武家出身の友松が絵師として頭角を現すのはなんと60才になってから。83才まで生きたその晩年に巨大障屛画も含めた主要作品を描いたというのには驚いた。狩野派に師事し、2代目狩野元信(1477?~1559)やその孫、狩野永徳(1543~1590)に直接学んだと言われており(元信が他界した年に友松27才)、狩野派から独立したのは1590年に永徳が没した直後という(友松57才)。永徳と長谷川等伯(1539~1610)の2人は利権をめぐって対立していたと伝え聞く中、友松はどういう位置にいたのかと以前から疑問だったのだが、少なくとも友松と永徳とは対立のしようがなかったのだと納得。

友松は年に一度の法要のための金地屏風三双を、狩野山楽(1559~1635、永徳の養子)とともに妙心寺に納めているが、そういうところを見るとその後も狩野派とはうまくつきあっていったのかな、と思う。ちなみに永徳は友松より10才若いが25年も早く没している。等伯は6才若いが5年先に没している。山楽は26才若く、友松の没後20年生きた。

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   海北友松 建仁寺大方丈障壁画「雲龍図」

得意な画題であったという龍の絵はどれも興味深く、特に建仁寺大方丈障壁画の「雲龍図」(1599年)は素晴らしかった。巨大な横長の画面に円弧の渦と2頭の巨大な龍が絡んだ構図がよく練り上げられ、雲で見え隠れする龍を墨の濃淡で表現し前後感を与えている。大胆に画面を大きく使っているが勢いにまかせて描くのではなく、画面の動きを損なわないよう注意深く形態を描いている。こうした巨大な龍の絵としてはひとつの完成形だと思ったし、そもそもこうした巨大な龍の絵のスタイルを築いたのはこの人ではないのか、とも思った。

その表現は牧谿(13世紀、南宋時代)の影響を受けていると指摘されているが、確かに暗い墨の中から浮かび上がる龍が醸し出すその雰囲気は「禅展」(2016年、京都国立博物館)で観た牧谿の「龍虎図」の龍と似ている。牧谿の龍は、経年劣化もあるのだろうが全体に暗い画面で、その中央に霊感を伴う龍の頭部が浮かび上がる様子が魅力的だった。ただし、牧谿の絵は縦長画面の掛け軸で、巨大な龍ではない。
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   牧谿 「龍虎図」より部分

江戸中期になると曾我蕭白(1730~1781)がボストン美術館にある、あの超巨大な「雲龍図」(1763年)を描いたが、今思えばあれは、海北友松の龍を思いっきり大胆にあっけらかんと巨大化しました、という感じの龍だ。墨の暗さ、立て掛けて流れた墨などに似た要素を感じる。たとえば俵屋宗達(1570頃?~1640頃?)も大きな雲龍図を描いたが、薄墨のたらし込みによる明るい白さの中に霊獣の神聖さを感じさせる作品はまた別の趣きだ。フリア美術館にあって門外不出、一度は眼にしたいと思っている作品だが、宗達最晩年作と言われていて、友松の龍より時代は少し後になる。長沢蘆雪の無量寺にある大きな「龍図襖」も江戸中期と時代はさらに後で、さばさばと筆を走らせた南画のような作風だ。

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   俵屋宗達 「雲龍図屏風」右隻

「ボストン美術館展」(2013年、京都国立博物館)で観た長谷川等伯の「龍虎図屏風」の龍も大きくて同時代の作品だが、こちらは1606年作なので友松の建仁寺大方丈障壁画より7年ほど後になる。ボストン美術館展では古い年代順に作品が展示されていたが、この等伯の部屋に入り大きな龍図を目にして、近世の到来を実感した。広く余白を取り、大きな雲(波?)が柔らかなかたちをした大和絵風の龍図である。そもそもこの時代に霊獣を大画面に描くということを始めたのは狩野永徳だと思うが、教科書でよく目にしていた永徳の「唐獅子図屏風」の実物を「狩野永徳展」(2007年、京都国立博物館)で観たときに、”大きな生き物を大画面から浮き立つように描く”というコンセプトで80年代に作品を描いていた者としては、我々がやろうしていたことをすでに400年前の永徳がしていたという事実に対面して呆然とした。永徳や等伯の時代に現れた近世の絵画は現代と地続きだ、と私には思えた(永徳は安土城に龍の絵っも描いたようだが現存していない)。

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   長谷川等伯 「龍虎図」より右隻の龍図

さて、雲龍図とともに今回注目の作品は、60年ぶりにアメリカより里帰りした「月下渓流図屏風」。今までに画集などでも目にしたことのない作品で、先に観たNHK日曜美術館では”奇跡の名画”と紹介されていた。さすがにそれは大げさすぎるのでは、と思っていたが、実物を観て、なるほどこれは素晴らしい絵だ、と納得した。

大和絵風の柔らかい形象で川の流れを描いている。左隻のゆるやかな流れは等伯の龍虎図に描かれた雲(波?)のようにおおらかな曲線を描いているが、右隻に流れる雪解け水の流れは若干速くて、岩と岩が狭い隙間を挟み緊張感を持って接している。松、梅、土筆、蒲公英などの草木はどれも画面の隅であったり小さくあったりして、控えめに存在している。満月と思われる月も雲か霧に隠れて半分も見えない。大きな余白が空間を支配していて、環境音楽のような絵だと思った。等伯の松林図屏風のような目立った存在ではないが、同じ時期に大陸の情景ではなく和の情景を水墨で描いた作品として注目されてよいだろう。

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   購入した絵はがき。上から 雲龍図2枚、月下渓流図屏風右隻、同左隻。

鑑賞後に絵ハガキを選び図録を買おうとレジに行くと、なんと図録の表紙が2種類あって、一つは雲龍図、一つは月下渓流図となっている。中身は同じだというが一瞬迷ってしまった。でも月下渓流図の表紙は”京博限定”という言葉につられてそちらを購入(巡回しない企画なのに京博以外のどこで売っているんだろう?)。龍の表紙のほうが迫力があってよかったかも、と若干悔やみつつ帰宅したが、家で「長谷川等伯展」(2010年、京都国立博物館)の図録を取り出してみて、どちらも薄墨の絵に銀のタイトル文字で瓜二つなのに気付いた。等伯展の表紙画像は松林図。これは意図されたものだな、と後付を見ると同じデザイナーさんだった。双子のような図録を並べて、こちらの表紙にして良かったな、と思った。(n.m.)

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# by matsuo-art | 2017-05-11 03:46 | 展覧会  

ミュシャ展、草間彌生「わが永遠の魂」展 新国立美術館

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新国立美術館のミュシャ展と草間彌生展に行ってきました。
どちらも人気の展覧会でそれなりに混んでいる様子でしたが、まずはミュシャ展の方から行くことにしました。

会場に入ると「スラヴ叙事詩」の巨大絵画が待ち受けています。6メートル×8メートル規模の絵画に四方を囲まれるわけですから、まずスケールの大きさに圧倒されます。
故郷とスラヴ民族の歴史から着想を得たこれらの作品は、写実性がありながらどこかファンタジックで幻想的な絵になっています。
巨大な画面の中で人物の顔や布の皺、草花や装飾品などがいたるところで丁寧に描き込まれており、ミュシャはかなり几帳面な人だったのだろうな~と感じました。
撮影OKのコーナーがありましたので紹介します。

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部分です。

進んでいくとリトグラフのポスターが並んでいます。
ミュシャを人気の作家に押し上げたこれらの作品は、美しい女性や花や星、キラキラの装飾品などが繊細な線で緻密に描かれており、現代でもとても人気があります。
人物や花は描写の線より太い輪郭線で囲まれています。これによって見せたい部分をより強調し、デザインされた枠の部分と距離感を生む訳ですが、髪の隙間や、重なり合った葉の隙間など輪郭線に囲まれて出来た「間」がとても絶妙で「オシャレだな~」と感心してしまいました。



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そして次は草間彌生展へ向かいます。
まず入ると奥行きのある広い部屋に「我が永遠の魂」シリーズがビッシリと並んでいます。
強い色彩と激しいインパクトで部屋に入った瞬間思わず「ウワッ」と声を上げてしまいました。
使われている色や図像(水玉や網、目など)は共通していながらも、1枚1枚独立した別の作品でもあるし、巨大な1枚の絵画のようにも感じられます。
「描いてる時は私命がけなのよ」とドキュメンタリー番組で仰っていましたが、命がけ×130枚はものすごいパワーを発していました。

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奥の部屋に進むと過去作品が展示してあります。
インフィニティ・ネットや黄樹、かぼちゃなど人気作品が注目を集めていました。
[無限の鏡の間]は通る人が皆周りを見渡しながら一種のアトラクションのような感覚で作品を楽しんでいました。


出口付近にはすごい人だかりが…
2つの展覧会どちらとも物販の行列がかなり長く伸びていました。
特に草間彌生展の方はグッズ展開がかなり豊富で「ポップでかわいい水玉模様」マーケティングの強さを感じました…!
(s.t)



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# by matsuo-art | 2017-04-28 18:17 | 美術  

イエス・フューチャリング・アンダーソン・ラビン・ウェイクマン、アルカイックホール 尼崎

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イエス・フューチャリング・アンダーソン・ラビン・ウェイクマン、 4/21(金)あましんアルカイックホールでのコンサートレポートです。

イエス50年の歴史の中で私がよく聴いていたアルバムは「 こわれもの 」から 「トーマトゥ」までの時期。中学から大学生の頃に特に心酔し、その後はリアルタイムでフォローはしないものの(1992年の8人イエス Union Tour へは行った)、時折思い出したようにその時期の楽曲を聴き込む、というように接してきた。

私が考えるベストメンバーは、vo.ジョン・アンダーソン、g.スティーブ・ハウ、b.クリス・スクワイア、key.リック・ウェイクマン(そしてパトリック・モラーツ)、dr.アラン・ホワイトまたはビル・ブルーフォード、となる。それ以降の時期については大ヒットした「Owner of a Lonely Heart」はさすがに知っているものの、他の曲については、ほとんど知らない。今回ギターを弾くトレバー・ラビンが加入していた時期についてもよく知らない。客観的に見れば片寄ったファンかもしれない。

イエスがジョン抜きで活動し、数年前にこの尼崎のアルカイックホールで演奏したことは知っている。これが最後かも、と少し検討してみたものの、結局行かなかった。ジョンのボーカルがないイエスを想像できなかったからだ。結果として、クリスのゴリゴリのベースとツボを押さえたハモりに生で接する機会を永遠に失っってしまった(行った人からは「良かったよ、替わりのボーカルも健闘してたし」と聞いた。クリスは2015年6月に帰らぬ人となった)。

そのときなぜジョンが参加していなかったのか詳しくは知らないが、病気だとか、声が出ないとかの噂を聞いたので、もう私が考えるイエスの演奏を生で聴くことはかなわないのだ、と思っていた。ところが、アンダーソン・ラビン・ウェイクマン(ARW)としてジョンがリックと共に活動しており来日もする、という情報が寝耳に水で入ってきたのだ。これは行くしかない。

今回の日本公演初日(4/14東京)から遡ること7日前の4月7日、イエスがロックンロールの殿堂に入った。NYでの受賞式では分裂した2つのグループからジョン、リック、ハウ、アランが集った上に、引退したビル・ブルーフォードまで駆けつけていたのには感慨深かった(私はこの情報をキング・クリムゾンのHP、DGMで知った)。そしてその3日後、ARWはイエス・フューチャリング・アンダーソン・ラビン・ウェイクマンと改名し、正式に「イエス」の名を冠しての来日となった。

そんな期待と、しかし一抹の不安を抱えてのこのコンサート、果たしてその音楽はどうだったのか。
結論から先に言うと、本当に素晴らしいコンサートだった!ジョンの声が出るのかどうか心配だったわけだが、しっかりと出ていた。曲のテンポもおじさんバンドにありがちなスロー寄りになっていない。全盛期を彷彿とさせる、まさしくイエスのコンサートだった。
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私の席は1階の前から19列目、向って右側寄り(リック・ウェイクマン側)。開演の7時に開始アナウンスがあったが、メンバー登場までには少し間があった。最初に登場したのはドラムとベースの2人。逆光のシルエットで軽くポーズを決めてスタンバイすると、次にラビンとリック・ウェイクマンが登場。リックは太った熊のような大きな体躯で、向かって右手からゆっくり歩いて入ってきた。顔も丸いが髪は70年代のように長い金髪。例のマントを着けているのがうれしい。

そして最後にジョン・アンダーソンがひらひらと腕を動かし、少しおどけながら登場。会場が盛り上がる。やはりイエスにはこの人が居なければいけない。上半身のボリュームはさすがにしっかりとあったが、タイトなパンツにブーツを履いた下半身は細く、見た目が若々しい。事実、コンサート中は飛び跳ねたり歩き回ったりで年を感じさせず(72歳!)生き生きしている。MCでは、ぞうさんの歌やドングリころころなど日本の歌を口ずさんだり、あなたは美しい、と日本語も口にしながら常におどけていた。

ステージと観客の距離が近いせいか、最初は何やら日本のフォークソング歌手が集ったナツメロコンサートのようで、会場が和気あいあいとしている分、オーラが少ない。それもいいかな、とも思っていたが、ありがたいことにそのレベルで終わる人達ではなかった。
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最初に曲の持つ力を感じさせてくれたのは「And You and I」。”こわれもの”からの定番ソングだ。ただ、中間部分のボーカルパートを別アレンジにしていたので、あれっ?と思った。ジョンの声が出ないせいかな、とか、このパートは高い音域だったっけ、などと考えてしまったものだから曲の後半は若干入りこめなかった(斜め後ろの人の手拍子がやたら大きいのにも閉口した)。

しかし「Heart of the Sunrise」でそれは全くの杞憂と判明。スピード感とメリハリのある力強い演奏にジョンの昔と変わらぬ音域の声が乗る。音圧もしっかりとあるボーカルに感動。曲の最後には、ジョンが健在であることそれ自体に心動かされ涙が滲む。最盛期と変わらぬ演奏に思わずスタンディングオベーション。

ラストから2番目の曲「Awaken」がさらにすごい。アレンジを変えることで冗長さを感じさせず(中盤でジョンは延々とハープを弾いた)、厚みのある音は圧巻。リックのキーボードが荘厳かつ華麗に展開する。全体にキーボードの重低音が効果的に響いていた。

ラストの「Owner of a Lonely Heart」ではリックがキーボードを肩から掛けるタイプに持ち替えて移動。ステージ中央で4人で円陣組んで演奏したかと思うと、なんとステージを降りてきた(ラビンも左手から降りたようだがよく見えなかった)。会場の通路をゆっくり歩いて一周し、私の3メートル先まで近寄ってくれた。リックのサービス精神に感謝。その間も曲は延々と演奏され、クリームやビートルズのメロディを挟んだり、ベースが歌ったりしながら観客総立ちの盛り上がりの中で終了。アンコールの「Roundabout」でもその盛り上がりを引き継いで終了しました。
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本来イエスの音に欠かせないスティーブ・ハウとクリス・スクワイアがいなかった訳だが、その不在を感じさせない演奏だった。ラビンはラビンとして楽曲やソロからハウらしさをなくして演奏、ベースも変にクリスを意識することなく自分らしく演奏していたのだろう、逆にそれが2人の不在を感じさせない演奏になっていたように思う。リズム隊が若い(?)のも功を奏しているだろう。コーラスもラビンとベース、ドラム(私の位置からは歌っているところはよく見えなかったが)の4声と厚みがあった(ただ、後で考えると「And You and I」の新アレンジ部分はコーラスのパートだった。単にシンプルにしたかったのか、クリスやハウがいないことが理由だったのか)。

「Heart of the Sunrise」「Awaken」で全盛期のイエスが目の前にいるかのような演奏を体験できたし、彼らのサービス精神で会場が一体となった雰囲気も味わえた。ラビン加入期の楽曲も乗りの良い曲が多く、初めて聴いても結構楽しめたし、十二分に満足したコンサートだった。(n.m.)

セットリスト 2017/4/21 あましんアルカイックホール
1.Cinema(Yes)
2.Perpetual Change(Yes)
3.Hold On(Yes)
4.I've Seen All Good People(Yes)
5.Drum Solo
6.Lift Me Up(Yes)
7.And You and I(Yes)
8.Rhythm of Love(Yes)
9.Heart of the Sunrise(Yes)
10.Changes(Yes)
11.The Meeting(ABWH)
12.Awaken(Yes)
13.Owner of a Lonely Heart(Yes)
アンコール
14.Roundabout(Yes)
(テープ:Life on Mars?/David Bowie song、Piano solo version by Wakeman)
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# by matsuo-art | 2017-04-26 14:56 | 音楽  

センター試験 テスト前と当日のアドバイス

14日(土)に始まるセンター試験まで、残り1週間程になりました。NHK教育テレビ「テストの花道」の以前の放送内容が、テスト前と当日のアドバイスとして役立つと思うので再録します。

現場で実力を発揮するには ”適度な緊張” が必要で、多少の緊張はあったほうが良いのですが、緊張しるぎるとうまく力が発揮できません。2013年の放送では、本番で緊張しすぎないための対策が5つ紹介されていました。なかでも最初に挙げられている「筋弛緩法」は、効果がありそうです。

体に力を入れて筋肉を収縮させてから一気に力を抜いて筋肉の緊張をゆるめるという方法ですが、紹介されたやり方は、それを目、口、肩で行うというものです。試験会場の現場で行うのにちょうど良くて、使えるのではないでしょうか。本番で緊張しそうな人は今から家で勉強する前にやって慣れておいて、現場の会場に座ってからもやってみてください。(実際やってみると、緊張すると出にくくなるという唾液が分泌されるのが実感できます。)

2011年のこのブログでも「テストの花道」で紹介されていた”センター試験1週間前”の心得を紹介しました。その内容も再録します。先輩受験生の体験談や失敗談をいろいろ紹介していましたが、結論としての格言は「実力を発揮するなら普通どおり」。新しい事はやらないほうがいい、ということです。

たとえば苦手科目を最後に集中的にやりすぎて肝心の得意科目の勘が鈍ったという失敗例。合格した先輩たちは、基礎をまんべんなく見直すこと、を勧めています。実践をしながら、まちがったところの基礎を見直すのがよいようです。親にも変わった事はしてほしくない、と言っていましたが、試験前にトンカツなどのカツ類を食べ過ぎて胃もたれになった、親の出すハーブティーを断れずに飲み過ぎて体調不良、など食事に関する失敗例は、どれも良かれと思い普段と違うことをしたから。不安を感じる新たなことには断る勇気も受験生には必要です。

時計は必需品だと言っていましたが、これについては当研究室テキストの「入試前の心得」にも書いています。実は研究室の受験生で過去にこれで失敗した人がいます。わざわざ新品の時計を買って持って行ったのになぜかその時計が1時間遅れていて、それに気づかず、デッサンで実力を出せなかったのです。第1志望大学は不合格となり第2志望大学に行きました(ただ、後日談としてその人は、東京芸大の大学院へ見事合格しました)。
他にも単純に時計を忘れていって時間が分からなかった人もいましたが、わからない分、デッサンを早め早めに進めて、今までで1番充実したデッサンに仕上がった!という怪我の功名の人もいます。でもとにかく、テストには時間配分がとても大事なので、時計は必ず持っていきましょう(ケータイは使えません)。

本番で注意することとしては、マークミスが一番に上がっていました。途中でマークがずれている事に気づいたら焦ってしまいます。絶対に避けましょう。対策としては大問1問ごとにチェックする、ということ。また、わからない問題にも、とりあえずどれかマークしておいて後で見直すという印をつけて先に進む、そうして空白の問題を作らない事でマークのズレを防ぐ、というアドバイスもありました。
あと、トイレの場所を確認しておくことも大切、ということでした。

また、受験当日の用意として、
1、会場までの道のりを調べておく。
2、試験会場で勉強する専用ノートを作っておく。
3、軽食を持参。
4、体温調節できる服。
5、下痢止め。
を上げていました。

これらを参考にして、受験生はこの時期、そしてセンター本番を乗り切っていきましょう。試験1週間前の鉄則、それは「普通どおり」です!(n.m.)
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# by matsuo-art | 2017-01-06 12:36 | その他  

謹賀新年 2017

明けましておめでとうございます。
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# by matsuo-art | 2017-01-01 12:00 | その他