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植木茂展

島根県立美術館で開催されている「植木茂ー木の歌を聴く」展に行ってきました。
植木茂さん(1913年ー1984年)は北海道出身の彫刻家で、大阪・豊中市にアトリエを構え、木彫を中心に、 鉄やブロンズを使った彫刻、モビールや家具や店舗、ボトルやアクセサリーのデザインなどを手がけるなど、幅広く制作しました。
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人体を主なモチーフとして丁寧に作られた木彫作品の持つ柔らかく暖かみのあるフォルムからは、作家の人間や周りの世界に対する愛情がユーモラスに感じられます。その感覚はどの作品にも共通していて、展覧会を見た後穏やかな気持ちが残るいい展覧会でした。

植木氏はわたしの父と旧知の方で、今回は父とともに訪れました。
豊中にアトリエを建てた際に、建築を仕事にしていた父と縁があったようで、わたしも子供の頃にアトリエに遊びに行ったり、展覧会を訪れたことをよく覚えています。アトリエには大きな木彫の作品が、生き物のようにたくさん並んでいました。室内なのに丸石が敷き詰められたリビング、どこかの国の民芸品、使い込まれた道具などがひしめきあった、素敵なアトリエでした。植木氏は、わたしのような小さな子供の他愛もない質問に、楽しそうに答えてくださる気さくな方だったと記憶しています。

植木氏は作家を目指した最初は油絵を描いていたこと。唐招提寺の大日如来に感銘を受け彫刻家を目指したこと。彫刻以外の様々な仕事。若い頃から晩年までの作品の流れなど。今回の展覧会を見て、改めて生涯や仕事について知ることが出来ました。
島根県立美術館は木彫作品に注目してコレクションをしているそうで、その流れがあり今回の展覧会が実現したそうです。

こちらは30代の若い頃の作品です。
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これらは晩年の作品。
同じ流れを感じますが、晩年のものは形が練れています。どれも面白いですが、わたしは若い頃の瑞々しい明るい感じが好きだと思いました。
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鉄の彫刻。
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椅子などインテリアもあります。
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船の竜骨を思わせる作品。かっこいい形態です。
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当研究室でも時々モチーフとして登場するサントリーローヤル瓶も植木氏のデザインです。
サントリーと縁が深かったようで、大阪万博のサントリー館のオブジェなども手掛けたそうです。
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美術雑誌「みずゑ」の表紙も担当したことがあるそうです。
その他、ガラスの器、コラージュなど平面作品、スケッチなども作品がありました。
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館内で配られていたリーフレット。とても簡潔に植木氏の生涯や作品をまとめてある、楽しくてデザインも素敵なとてもよいリーフレットです。「彫刻の楽しみ方」の記事もあります。
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これはわたしの自宅のリビングに長年飾られている、展示してあった鉄の彫刻と同じテーマの鉄製のシャンデリアです。リビングには植木氏の椅子やレリーフなどもあり、静かな存在感を放っています。
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植木氏の作品は地元の兵庫県立美術館にもコレクションされています。ぜひまた収蔵品展などで作品の魅力を感じる機会があればよいと思います。
島根県立美術館
(y.m.)
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by matsuo-art | 2014-10-25 22:27 | 展覧会