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山本六郎展

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わたしの水墨画の恩師である山本六郎先生の展覧会を紹介いたします。
師は大分県出身の日本画家・書家で、京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)日本画科を卒業後、長年にわたり京都を中心に制作・作品発表をされ、ちょうど一年半前に逝去されました。
今回の展示が没後初めての遺作展となります。関わりの深かった京芸の卒業生、ご遺族とともに、今回の展覧会を企画しました。
水墨画を中心に、着彩画、書の作品を展示。作品形態は掛軸中心に、折本、巻子、屏風などを出品しています。著作物、画集も交えて100点あまりを展示する見応えのある展覧会となっています。

若い頃は日本画を多く制作されていたようですが、わたしが出会った頃は水墨画を中心に制作されていました。少し以前までは京都市立芸大には書道の実技の講座があり、受講をきっかけにして師の勤められる生涯学習講座のアシスタントを始めることになり、そのまま亡くなる直前までお手伝いを続けていました。
作品に対する真摯な姿勢、美術に対する愛情、美術を教え伝えることへの意欲、日本・中国の絵画史、書道史への広く深い知識、ご自身が作られる少しユーモアな気風のある漢詩など、たくさんの情熱を懐に携えて、ただ静かに筆を動かす、そういう印象の方でした。筆を強くにぎりしめるでもなくふわっと軽く持ったその筆先から、想像もできないような引き締まった線が生まれてくる様子を、絵と対峙しながら思い出します。
ぜひ多くの方に、ご覧いただきたいと思います。

師の作品は今回展示されたもの以外にも、表装済みのものが数十点、それに加え描かれた時の状態のままのものがおそらく数百点か千点近くの絵が残されています。いつかそれらに光を当てる機会が訪れることを祈りながら、今回の展示を紹介させていただきます。 (y.m)

■『山本六郎展』
■2014年5月27日(火)〜6月1日(日) 10:00〜18:00(最終日は17:00まで)
■池坊短期大学洗心館1Fアートフォーラム
〒600-8491
京都市下京区四条室町鶏鉾町
TEL 075-351-8585
地下鉄烏丸線「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」(26番出口)から徒歩2分
市バス「四条烏丸」下車徒歩2分
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by matsuo-art | 2014-05-28 16:40 | 展覧会  

「FUTURE BEAUTY日本ファッション:不連続の連続」展 京都国立近代美術館

京都国立近代美術館で開催中の「FUTURE BEAUTY日本ファッション:不連続の連続」展へ行ってきました(〜5/11(日)まで)。20世紀後半から世界にその独自性を認識させた現代日本ファッションを、1.陰影礼賛、2.平面性、3.伝統と革新、3.物語を紡ぐ、の4つのセクションに分けて紹介している展覧会です。
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1970年代の高田賢三に始まって、私が学生だった80年代の川久保玲(コム・デ・ギャルソン)や山本耀司の「黒の衝撃」「ボロルック」などの作品、三宅一生の「プリーツ・プリーツ」や折り紙を連想させる作品も展示されていましたが、いっしょに観に行った私の娘はそれらを見て「ぜんぜん古くない!」と驚いていました。一方で出品リストの表紙になっている赤いフェルトの幾何学模様のついたコム・デ・ギャルソンのコートは50〜60年代くらいの古いものに見えますが、2012年のデザインというから面白い。

私が興味深く思った作品は、”架空の街に暮らしている、架空の職業で生活する人々”を想定してコレクションを発表しているという玉井健太郎氏(アシードンクラウド)のデザインと、横尾香央留さんの仕事です。
横尾さんは、服の虫食いとかほつれを修復するのにわざと目立つように刺繍をしたりカラフルな色を使ったりするのですが、その様子を撮ったホンマタカシ氏の写真が展示されていました。
家に帰って調べてみると、これは糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」上で掲載されていたシリーズであるらしく、「お直し とか」という本も出ているようです。

この展覧会は京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品を中心に構成されていて、KCIのデジタルアーカイブでは、今回の出品作も含めた200点の画像と文字データを見ることができます。(n.m.)
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by matsuo-art | 2014-05-05 22:59 | 展覧会  

中村一美展(国立新美術館・東京)/かたちの発語展(BankArt Studio NYK・横浜) ほか

4月26-27日、いくつかの展覧会を観るため、駆け足で東京と横浜を回ってきました。
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1)一番の目的は、六本木の国立新美術館で開催中の中村一美展を観る事でした。とにかく作品の質も量もサイズも超弩級の展覧会でした。(全部の作品を観るのにゆうに2時間半はかかってしまいました。)この日は作者の中村さんの講演会もあり、一日たっぷり美術館にいることになりました。

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2)次の日は国立新美術館でやっているもう一つの大きな展覧会「イメージの力ー国立民族学博物館のコレクションにさぐる」を観にいきました。大阪の民博にはたまに訪れるので、見覚えのある展示品も多かったですが、ある一つの切り口で展示する事でまたちがった見え方がしてきます。美術館のすっきりとした大空間の中で観るとなおさらそうした視点がはっきりとしてくるように思います。

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3)それから銀座の資生堂ギャラリーの椿会展「初心」を観に行きました。銀座に着いたらメインストリートが歩行者天国になっていて、たくさんの人々が自由に往来を闊歩していて、その様子を見ているのも楽しかったです。ショーウィンドウに入っているのは内藤礼さんの作品。

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4)その後横浜に移動し、BankArt Studio NYKで開催されている「かたちの発語展」(田中信太郎/岡崎乾二郎/中原浩大 3氏の個展)を観に行きました。まずここはスペースが面白くて、もと港湾倉庫だったのか大変広々とした空間に、各作家の大作がゆったりと展示されていて壮観でした。各作家とも旧作と近作を織り交ぜた内容で、今まで図版等でしか観た事のない作品の実物が見れたりして、そうした点でも興味深かったです。(カタログも各作家ごとに分冊になっていて、それぞれ現在までのキャリアを俯瞰するように編集されていて、とても充実しています。)

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5)最後の写真はBankArtのすぐ裏から見た港の風景です。作品を観ていても汽笛やカモメの声が聞こえてきて、静かで、天気も良くて、海風が気持ち良くて、最高でした。(Y.O.)
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by matsuo-art | 2014-05-01 11:42 | 展覧会