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キアゲハの羽化

竹の支柱で蛹になっていたキアゲハが、今朝、羽化しました。羽化が始まったのは早朝5:25頃。
蛹から出て来るところは一瞬だったらしく見逃しましたが、しわになってたたまれた羽のまま、上に歩いて支柱を登っていきます。
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30分を過ぎる頃にはだいぶ羽も広がりました。
折り畳まれていたので最初は分かりませんでしたが、羽が広がると青色や赤色のきれいな模様も見えてきます。
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1時間くらいしたら飛び立つのかなと思っていましたが、その後きつく降って来た雨のせいか、それとも一般的にそれくらいの時間がかかるのか分かりませんが、結局飛び立ったのは10:30頃だったようです。
(n.m.)
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by matsuo-art | 2012-07-20 22:15 | 自然  

キアゲハの蛹化

アゲハ蝶がベランダの植え込みをひらひらと飛んでいると思ったら、気がつけば幼虫がパセリの葉に4匹いるのを発見し、そのうち3匹が蛹化しました(もう一匹は発見できていない)。調べてみるとキアゲハの蛹でした。

キアゲハの幼虫は最初は保護色でまわりに馴染んでいるのですが、5齢になると毒々しく目立つ警戒色になります。
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それぞれ元いたパセリの植え込みから少し移動して蛹化しているのですが、最初に発見したのはベランダに立てかけたよしずに付いて前蛹の状態になっていたもの。次に発見したのがベランダの白い壁で前蛹化したもの。そして、一日遅れで竹の支柱上部で前蛹化したもの。
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いずれも警戒色のままの前蛹の状態から知らないうちに脱皮していて、1日で蛹化しました。
感心させられるのは、今度は周囲に合わせて保護色になっていることです。緑、白、そしてよしずに付いた蛹は、よしずのように縦縞になっています。細い糸でくっついていて、先日の暴風雨でもびくともしませんでした。
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そもそも昆虫の幼虫がさなぎを仲介して成虫になるのは、生命の驚くべき神秘です。このような完全変態の場合は、幼虫と成虫の形態が全く違います。水中にいた生物が進化の過程で徐々に陸に上がってヒレが足になった、という場合には連続した流れを感じるので理解できますが、この飛躍には理解し難いところがあります。
蝉やトンボのような不完全変態の場合は蛹を作らず、幼虫は成虫と同じような足を持っているなど似たかたちで、まだ地続きのような感じがします(とは言っても地中や水中にいたものがいきなり練習もせずに空の住人になるのには飛躍がありますが)。完全変態の場合は蛹内部で大改造が行われているらしく、一度ドロドロになってタンパク質を成形し直しているというのです。蛹の形が、鋳造彫刻のようにその雌型になっているというのですから驚きです。さらに秋に蛹化した蛹は、そのまま越冬するというのですから、これまた不思議です。

それでこれを機会に少し考えてみたのですが、完全変態は、不完全変態からさらに「幼虫が進化した」形態ではないか、というのが私の考えです。もともと蝶も不完全変態だったのが、幼虫時にひたすら葉っぱを食べて栄養を蓄積し、短時間に蛹化および羽化ができるかたちに特化されたのだ、ということです。そう考えると理解できます。蝶の幼虫も、もともとは蝉やトンボの幼虫みたいなかたちだったのが、進化の過程で、徐々に芋虫状態になっていった、という解釈です。
一般的な学説がどうなのかは知らないので、もしかしたらこの私の説は専門家には常識であったりするのかもしれませんが。

調べたところによると蛹化から羽化まで約2週間だということでしたが、実は今日、気がつけば縦縞と白は、すでに羽化していて空っぽでした。まだ10日ほどしか経っていないし昨日までは蛹のままだったのですが、羽化の様子も、成虫になった姿も見られなかったのは残念です。
残る緑色の蛹の羽化が見られるとよいのですが。(n.m.)
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by matsuo-art | 2012-07-19 15:20 | 自然  

平清盛と美術

NHK大河ドラマ「平清盛」は視聴率が低くて苦戦しているそうですが、私は毎回観ています。放映当初、兵庫県の井戸知事に「画面が汚い」とクレームを付けられた龍馬伝譲りの画面も、なかなかのリアリティで良いですし、私はこの時代のことを詳しく知らなかったので、院政(天皇、上皇、法皇)、摂関家、平氏、源氏、など、権力闘争の中でそれぞれに複雑に絡み合った人間関係に驚き、歴史を勉強し直しながら楽しんで観ています。

そもそも孫の鳥羽天皇の妃、待賢門院璋子と密通していた、そして清盛の実の父(史実としては定かでないが)でもあった白川法皇という物の怪のような存在から始まるこの物語、高視聴率をとるような一般受けする話でないかもしれない。脚本はあのNHK朝ドラの名作「ちりとてちん」の作者ですが、DVD売り上げ最高記録を樹立したちりとてちんも、放映中は低視聴率だった。NHKには視聴率を気にせずに、作りたかったものを作り切ってほしい。

このドラマ以前に私が”清盛”で知っていたことと言えば、「厳島神社」とそこに奉納した「平家納経」くらいでしたが、恥ずかしながら私は清盛を”貴族”だと思っていました。平安時代は貴族社会であったわけですし、平家納経は絢爛豪華な王朝美の代表かつ到達点です。私が敬愛する俵屋宗達も、1602年に平家納経の修復にたずさわって、町人でありながら、そのきらびやかな貴族文化に接っしたのですから、てっきり貴族だと思っていました。
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今回のドラマを観ていて、この時代は戦国時代や幕末に匹敵するくらいに面白い、と思いましたが、保元の乱で身内と敵対してまでもいっしょに戦った平清盛と源義朝(頼朝と義経の父)が、わずか3年後の平治の乱で敵対することになるのですから、すごいものです。
今日の放送で、ドラマはいよいよその「平治の乱」に突入するわけですが、東京国立博物館で先頃まで開催されていて、現在、名古屋で開かれているボストン美術館展に出品されている「平治物語絵巻」には、平治の乱の三条殿焼討ちの様子がダイナミックかつ繊細に描かれています。火が放たれて燃え上がる炎と煙の表現は様式的であるにもかかわらずリアルで、敵の首を刀剣で掻く姿も生々しく描かれています。
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このボストン美術館展、来年の春には大阪にも巡回してくるのでよいのですが、東京展開催時のようにテレビや雑誌メディアが盛り上がっている時や、ドラマの前に実物を観れなかったのは少々残念です。

ところで、先の保元の乱で清盛は後白河帝に付き、破れた崇徳院は讃岐に島流しにされるのですが、美術家の杉本博司 著「苔のむすまで」の ”京の今様” という一文には、後白河法皇と崇徳院についてくわしく書かれていて面白いのです。

崇徳院は、讃岐で書いた膨大な写経を奉納してほしいと京に送るものの、呪詛が込められていると後白河法皇に拒まれ、送り返される。怒った崇徳院は、舌を噛み切った自分の血で本当の呪いの言葉を書き連ね、生きながらにして怨霊と化したという。「保元物語」に詳しいそうだが、崇徳院の怨霊は歌川国芳の浮世絵にもなっていて、西行(北面の武士として清盛の同僚だった)とともに「雨月物語」にも出てくるという。

杉本博司は、ベネッセアートサイト直島に家プロジェクトで神社を建立する際、1本のひれくれた形の松を切るかどうか悩んだあげく、後白河院が編纂した「梁塵秘抄」にあるひとつの今様(当時のはやり歌)を見つけて、松を切らずに残す事にする。実は崇徳院は直島にも配流されていて、その今様は「直す」ことのできない「ねじれた松」を崇徳院のこころもちに重ねて歌われた歌だった。

今様を愛して歌い集めた後白河院。「遊びをせんとや生まれけむ」というドラマのテーマもここから来ているし、清盛は極楽浄土を求めた後白河院のために三十三間堂を立て、平家納経を納める。

私は杉本氏のこの一文を読んでから、今まであまり好きでなかった自分の名前に愛着が持てるようになりました。私の名前には「松」と「直」の両方の字がありますが、「直」の字が持つ堅い感じが好きではなかったし、この2つの漢字を含む姓と名は、その意味において矛盾しています。しかし、歴史のある時期とある場所に奇妙な関連を見いだしてから、その矛盾にも何か意味があるのかな、と思うようになったのです。(n.m.)
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by matsuo-art | 2012-07-01 05:49 | 美術