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山下ゆうき 染織「 ハジメマシ テン」展

展覧会のお知らせです。染織の山下ゆうきさんの個展が開催中です。研究所近くのTEN×TENギャラリーで、11/24(火)までです。
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2009/11/19(木) 〜11/24(火)※水曜定休日
11:00 AM ー 19:00PM(最終日は17:00迄)
TEN×TENギャラリー
神戸波止場町6−5

先週、研究室に立ち寄ってくれました。山下さんは沖縄芸術大学工芸科を卒業して、昨年くらいからこちらに戻って活動しているということです。

”染織の展示。糸を染めて布を織っています。
TEN×TENでの初めての個展、神戸で織を始めたという意味で「ハジメマシ テン」★まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしく!”

TEN×TENのブログに展示の様子が出ています。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-11-22 18:27 | 展覧会  

宮崎駿氏のやかんも柳宗理

昨日の夜中、NHKプロフェッショナル「宮崎駿のすべて〜ポニョ密着300日〜」が再放送されていました。その中で宮崎氏がアトリエで使っているやかんが、以前ここで紹介した柳宗理氏のやかんであるのを発見しました。
さすがに人気がありますね。

ところで私は「ポニョ」を、まだ見ていません。公開時、私以外の家族が劇場に先に見に行ってしまって、とうとう見る機会を逃したのです。最近は劇場に映画を見に行く事も少なくなりました。

「トトロ」を劇場で見たときの事はよく覚えています。冒頭の、床下を覗き込むとラムネの空き瓶が転がっている、というシーンにまず感動しました。そうした何気ない日常ではあるけれども、ある時期の日本人に共通しているとも言える記憶が、こうしたアニメーションで描かれるということはそれまでなかったことだと思います。
同時上映の高畑勲氏の「火垂るの墓」が暗い内容だったので、もう一度トトロを見て劇場を出ました。

宮崎氏がかかわったアニメで私が最初に感化された作品は、「太陽の王子 ホルスの大冒険」です。東映動画の作品で、小学校3年生くらいに、学校の体育館で見たような記憶があります。一般上映が終ったアニメ映画を体育館で上映する、というようなことが当時行われていたような気がするのですが、ちょっと記憶が定かではありません(「長靴をはいた猫」もそれで見たような気がします)。
でも、ホルスに出て来る巨大な岩の怪人や、心に2面性を持つ悲しい美少女ヒルダなどのキャラクターはとても印象深く、心に残りました。あとで分かりましたが、この作品はのちの日本アニメを牽引する高畑氏、宮崎氏、大塚氏が参加した重要な作品だったんですね。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-11-17 13:01 | TV  

和歌山県立美術館「自宅から美術館へ 田中恒子コレクション展」

最終日になってしまいましたが、和歌山県立美術館「自宅から美術館へ 田中恒子コレクション展」へ行ってきました。

会場入り口。正面には藤浩志「やせ犬」を従えた奈良美智「どんまいQちゃん」↓
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住居学を専門として大阪教育大学で教鞭をとってきた田中恒子氏が「現代美術と一緒に暮らす」という住まい方の実践を伴って集めた1000点を超えるコレクション。その中から奈良美智、村上隆、名和晃平、今村源、椿昇、石原友明、藤本由紀夫、児玉靖枝、小泉雅代、赤瀬川原平、ヤノベケンジ、野村仁、彦坂尚嘉、藤浩志、堀香子、やなぎみわ、森村泰昌、宮島達男、などなど、128作家の作品237件、計640点を展示するという稀な企画の展覧会です。

「一緒に暮らす」という発想からでしょう、大きな作品はあまりなくて”愛すべき小品たち”といった風情のものたちがたくさん並んでいるのですが、それぞれが作品としての魅力を主張して存在していました。場所が遠いので行こうか行くまいか迷いましたが、行ってよかったと思いました。なかなか見応えがあって、楽しめる展覧会でした。

田中恒子コレクションの村上隆「Mr.DOB」と、常設のフランク・ステラ↓
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会場に着くと学芸員の方のミュージアムトークが行われている最中で、そのあとには田中恒子氏ご本人のトークも始まりました。私は家族といっしょだったこともあり全部じっくりと聴く事はできませんでしたが、出品作家の方もひとりおられて解説してくださり、「いくらで買っていただいた」というような裏話も聞けました。

ミュージアムショップ前のバリー・フラナガンのウサギ↓
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会場で神戸芸術工科大学のM先生ともお会いしました。M先生は市博物館で南方熊楠展があるということでそちらにも行かれました。私は夏に熊楠記念館に行ったこともあって今回はパスしましたが、普段から画廊の展覧会などもお忙しい中逃さずに回っておられるM先生、さすがに精力的に動いておられると思った次第です。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-11-08 23:30 | 展覧会  

夏目漱石「草枕」

半年ほど前になるが、NHK教育の「私の人物列伝」で、孤高のピアニスト、グレン・グールドを取りあげていた。グールドは1982年に50才の誕生日を前にして亡くなったのだが、死の直前の枕元には夏目漱石の小説「草枕」の英訳本が置いてあったと言う。グールドはこの本を何度も繰り返し読んでいて、ラジオ番組で朗読したこともあるというのだ。それを知って、草枕を最後まで読んでみようと思い立った。

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」という有名な文句で始まるこの小説だが、私は数十ページ読んだっきり、そのままにしていたーーーと思っていた。ところが昔買った文庫本を引っ張りだしてみて驚いた。最後のページに読了したサインとなる日付"1985,5,10”が手書きで入っていたのだ。
全部、読んでいた。でも全く、覚えていない。

草枕は、世捨て人っぽい画家が山の宿に泊まった時の些細なエピソードで綴られた小説だが、彼がいろいろと想いをめぐらせていく中で、いくつかの絵画に言及している。今思えば、私はそれらの作品についてほとんど知らなかったはずだ。そんなことも内容を覚えていない理由の1つだろう。
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たとえば「ミレーのオフェーリア」(写真は部分↑)。この作品を当時の私は知らなかったと思う。これは草枕のストーリーの中核に関わって来るので、知っていないと分かりにくい(夏休みの宿題で生徒のTさんががんばって模写した作品です)。

「蘆雪の山姥(やまうば)」も出て来る。長沢蘆雪の、おそらく「絹本著色山姥図」(重要文化財,厳島神社蔵/写真は部分↓)のことだろう。当時私は大学図書館で蘆雪の「白象黒牛図屏風」を見つけて一人興奮していたが、その作品以外に長沢蘆雪という人の情報を全く持っていなかった。今では好きな歴史上の日本人画家トップ3に入る。
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「床にかかっている若冲の鶴」も出てくる。「一本足ですらりと立った上に、卵形の胴がふわっと乗かっている様子は、」と書いているので、このタイプ↓の墨絵だろう。伊藤若冲にしても、動植彩絵の群鶏図やタイル絵のような動物画を知っていたくらいで、墨絵についてはまだあまり知らなかったと思う。(ちなみに今、新発見された屏風を含めた若冲の企画展「若冲ワンダーランド」が滋賀県のMIHOミュージアムで開催されていて、必見です)。
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草枕には絵画だけでなく、徂徠や山陽の掛け軸、硯、英詩や漢詩についてなど、芸術文化についていろいろと言及されるが、まだ知らないことだらけだ。10年後にまた読んだとして、少しは今よりも理解できるようになっているだろうか。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-11-04 03:38 |