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南方熊楠記念館

和歌山旅行では川湯温泉へ行く前に白浜へ行ったのですが、そこにある南方熊楠記念館にも寄ってきました。
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南方熊楠(ミナカタ クマグス1867〜1941)は粘菌の研究でよく知られていますが、白浜の隣の田辺に住み、地元紀伊半島の自然を歩き回って生物採集し、たくさんの標本や図譜を残した学者です。環境保護の観点から神社合祀反対運動にも従事し、エコロジーの概念を導入した先駆者でもあります。その研究は博物学、本草学、人類学、民俗学など多岐にわたり、在野の型破りな学者として今も人気があります。

記念館では熊楠の生涯を、その生い立ちからビデオにまとめて紹介していて、先にビデオを観ると、展示物の内容がよくわかるようになっています。びっくりしたのは幼い頃からの旺盛な好奇心と記憶力です。10才から15才くらいの間に、当時の百科事典にあたる「和漢三才図会」105冊を読破して写するとともに、「本草綱目」「大和本草」など和漢の博物書を読み覚え、全部写したというのですから、すごい。筆で書いた細かい文字でびっしりと埋め尽くされ、図版も写している現物が展示してありました。

     敷地内の鬱蒼とした樹々。
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     記念館屋上からの眺め。中央に小さく見えるのが、
     手つかずの自然が残り、熊楠も探索した神島(かしま)。
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実は先日、ドイツに住んでいる大学の同級生が帰国していて十何年かぶりに会ったのですが、数日前に白浜の白良浜海岸に行ったと言うので聞くと、実家が田辺で、おじいさんが南方熊楠の家の隣に住んでいたというのです。しかも、おじいさんは歯医者で石膏を扱えるということから、熊楠の死後、そのデスマスクを取ったのだそうです。
デスマスク、確かに南方熊楠記念館で見ました。それを作ったのが同級生のおじいさんだったとは。

田辺の熊楠旧邸(南方熊楠顕彰館)も見学できるようになっているのですが、行ったときは月曜の休館日で、そちらには寄れなかったのが残念です。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-08-27 02:54 | その他  

蛇イチゴ

西川美和監督の「蛇イチゴ」を観ました。一見平凡で普通に見える家族がどんどん崩壊していく、というブラックな内容なのですが、それをコメディタッチで笑いに変えて描いています。監督第一作とは思えない出色の出来です。

主役は雨上がり決死隊の宮迫博之氏です。期待通りの名演でしたが、妹役のつみきみほさん、父親役の平泉成さんと、俳優陣の皆さんがハマり役です。きまじめな妹よりも宮迫氏演じる、うそつきでいいかげんな”お兄ちゃん”と意気投合する母親、あの味のある役は誰がやっていたんだろうと後で確認すると、なんと大谷直子さんでした。全く気付きませんでしたが、この配役に拍手です(チラっと佐藤浩市氏が出てくるのですが、なぜかクレジットされていない)。

やはり脚本が秀逸で、登場人物のからみが多い分、こちらのほうが長編2作目の「ゆれる」よりも人間の心理を描いていく手腕はさえていると思いました。
映像の切り取り方もなかなかよくて、シリアスで暗い「ゆれる」と違って”好きな映画!”と即答できる内容でした。

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ところでこの写真は、8月初旬に和歌山に旅行したときに、川湯温泉キャンプ場の脇で撮影したものです。そのときはこの実が「ヘビイチゴ」だとは知らなかったのですが、映画を観て「あっ!」と思った次第です。「蛇イチゴ」というタイトルは、毒気がありながらも、こっけいでいとおしい人間模様を描いた本作にぴったりなのです。

DVDには監督のインタビューと、音楽担当のカリフラワーズのライブ映像が1曲入っているのも楽しめます。(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-08-21 03:56 | 映画  

夏のおすすめ展覧会

研究室では展覧会を観た感想文を夏休みの宿題にしていますが、プリントに載せられなかったオススメの展覧会を3つ、紹介しておきます。

■「キタイギタイ」ひびのこづえ展ー生きもののかたち 服のかたちー
会場:伊丹市立美術館+伊丹市立工芸センター+伊丹市立伊丹郷町館(重要文化財 旧岡田家住宅・酒蔵)
会期:2009年7月25日(土)〜9月23日(水・祝)
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日 *但し9月21日(月・祝)は開館
入館料:一般700(500)円、大高生350(250)円、中小生100(80)円
ひびのこづえさんは東京藝術大学美術学部デザイン科視覚伝達デザイン卒業のコスチューム・アーティストです。舞台・映画・オペラ・バレエ・ミュージックビデオなどの衣装をデザインする傍ら、個展で作品を展示発表しています。NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」「からだであそぼ」の衣装・セットを担当し、2004年には「にほんごであそぼ」が番組としてグッドデザイン大賞を受賞。 ハンカチ、食器などの小物や家具、衣服をデザイン・企画、メーカー各社と連携して商品化もしています。1997年に作家名を内藤こづえよりひびのこづえに改めましたが、旦那さんはアーチストで東京芸大教授の日比野克彦さんです。
(※会場の3カ所は並列しています)

■白髪一雄展 -格闘から生まれた絵画-
会場:尼崎市総合文化センター  美術ホール(5階・4階)※入口は5階
会期:2009年7月18日(土)〜9月6日(日)
10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※火曜日休館・臨時休館日あり(7/21、28、8/4、11、13、14、15、18、25、9/1)
一般 800円大高生 600円※中学生以下無料。
白髪一雄さん(1924-2008)はキャンバスを床面に置き、その上を滑走するようにして足で描くという独自の手法により、力強く躍動感のある絵画を達成しました。日本におけるアクション・ペインターの先駆けであり、海外でも評価されている具体美術協会を代表する画家です。白髪さんの画業の全貌を紹介する、という今回の展覧会ですが、本来はもっと早く、生前に行われるべきではなかったか、とも思います。

■水都大阪2009共催「中之島コミュニケーションカフェ」
【トらやんの大冒険〜サヴァイヴァル・システム・トレイン〜】
〜なにわ橋駅「アートエリアB1」がヤノベワールドに!?〜

会場:アートエリアB1(ビーワン)
会期:8/22(土)〜10/12(月,祝)
「ヤノベの私設列車《サヴァイヴァル・システム・トレイン》が走り、人型メディテーション・カプセル《タンキング・マシーン》が鎮座。さらに、アート船《ラッキードラゴン》のコンセプト模型や新作絵本原画など、鉄道駅のアートスペース「アートエリアB1」が、ヤノベの妄想実験工房に変貌します!」ということで、ヤノベケンジ氏は京都市立芸術大学出身、現在は京都造形芸術大学教授の美術家です。
会場の「アートエリアB1」は京阪電車中之島線なにわ橋駅地下1階コンコースにできたコミュニケーション空間で、神戸芸術工科大学出身のスタッフが関わっています。8/22(土)のイベントオープン初日には、ヤノベケンジ氏をゲストに迎える対話プログラム【ラボカフェ】も行われます。
(n.m.)
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by matsuo-art | 2009-08-14 22:35 | 展覧会