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個展レポート@東京

 去る12月15日〜21日東京・銀座のOギャラリーにて個展を開催してきました。
個展を開催(以前のこのblogでもご紹介させていただきました)すること自体は過去にも経験があるのですが、今回は初めての東京です。なかなか、いつもにも増して緊張しました。
思いのほか多くの人に(やはり東京は人口の多い街だと再認識しました!)作品を見て頂けたのは、貴重な機会でした。
 継続して作品を見て頂いている方は勿論大切な存在なのですが、全く初めて作品に接して頂いた方からの感想は新鮮なものでした。
 また、自分自身でも新しい課題がみえてきました。(y.y.)
 
 
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by matsuo-art | 2008-12-23 02:47 | 展覧会  

イエスの「アメリカ」を探して

イエスはイギリスのロックグループ。初期の演奏で、サイモンとガーファンクルの1968年の名曲「アメリカ」をカバーしたものがある。それを急に聴きたくなった。昔から好きな演奏だったが、レコードは持っていなかった。アメリカ探しの旅について歌った曲で、アメリカン・ニュー・シネマのような歌詞だ。

ツタヤに行くと「アメリカ」が収録されたイエスのベスト集があったので早速借りてみた。しかしそこに入っていたのはシングル用のバージョンで、前半と中盤がカットされた短縮版だった。完全版がよけいに聴きたくなる(あとで分かったが短縮版が4分06秒 、完全版が10分33秒。6分27秒もカットされている)。しかし「アメリカ」はもともと正規のアルバムには収録されていなかった作品で、当時どのように発表していたのか思い出せないし、今現在、どのCDに収録されているのかも知らない。

調べてみると、どうやら2003年に米ライノ監修によりデジタルリマスターされた「こわれもの」(1972年)のボーナストラックとして入っているようだ。だが三ノ宮のツタヤで探せど見あたらない。
Yes「こわれもの」
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それで半額クーポンがある機会に学園都市のツタヤに行ってみた。
ありました、デジタルリマスターの「こわれもの」。そそくさと手にとってクーポンといっしょにカウンターに差し出すと、店員さんがクーポンをじっと見つめている。そして、「これ、明日からのクーポンです・・・・・。」
私はレンタルするのは半額の時だけ、と決めているので、一日おあずけとなった。

イエスがカバーした「アメリカ」はサイモンとガーファンクルの原曲とは全く違う印象の大胆なアレンジがほどこされ、後のシンフォニックなサウンドへと変貌するイエスとくらべると素朴な印象であるものの、それゆえのストレートで心地の良いバンドミュージックが味わえる演奏です。プログレッシブ・ロックの雄へ登り詰める途上にある若者たちの、力強く伸びやかな音が楽しめます。

ちなみに私がイエスのアルバムの中で一番好きなのは1974年発表の「リレイヤー」ですが、このアルバムは音の過飽和状態が過激なまでに追求された通好みの作品で、あまり一般的ではありません。初めてイエスを聴く人にはやはり「危機」(1972)をお薦めします。(n.m.)
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by matsuo-art | 2008-12-18 22:23 | 音楽  

Newton Faulknerライブ

先週の水曜日12月10日のことですが、
イギリス出身のミュージシャン、Newton Faulkner(ニュートン・フォークナー)のライブに行って来ました。

場所は大阪、梅田にあるライブハウス、Shangri-Laです。
CDショップで試聴し、一目惚れ(一聴惚れ?)で気に入って以来、いつか来日して欲しいと待ちわびていました。

演奏は圧巻でした。
Newtonはアコースティックギターを手にソロでステージに登場、歌い始めるのと同時に空気が変わるのを感じました。たっぷりと豊かな声量、重層的なギターの音色に、驚かされ、惹き込まれました。
声の使い方、ギターの複雑さ(パーカッションも兼ねていました)、変化するリズム、全身が音楽で出来ていて、魔法のようでした。ギターはウクレレの形をしたちいさいものも加えて、4台ほどあり、曲ごとに使い分けていました。ギターについて詳しくなく、種類や技を語る言葉がないのが残念です。

メリハリのある曲の流れ、それにトークもとても上手く、リラックスした語り口調で、時には通訳を交えながら、観客を笑わせて、英語が通じない不自由さを思わせませんでした。来てよかったと、何度も思いました。
ラストの曲はクイーンの『Bohemian Rhapsody』のカバー。なんて面白い!フルコーラスを一人で、音色や声色も真似て、Galileo Galileo....のところもそっくりに熱演していました。
歌詞の分かる人は一緒にコーラスをし、大興奮の中幕を閉じました。

今回の公演はジャパンツアーとはいうものの、東京、大阪、各一日のみの短いものでした。ライブ中、新曲の披露もあったので、次の新譜が出るときには、ぜひ再来日し、たくさんの公演をして欲しいと期待しています。

もし興味があればNewton Faulknerのアルバム『Hand Built By Robots』、聴いてみてください。どの曲もオススメですが、わたしのお気に入りは『Dream Catch Me』『Teardrop』『People Should Smile More』です。
それにしても堂に入ったライブを見せるNewtonが22歳というのには驚きです。同い年ぐらいに見えました。

『Hand Built By Robots』
newton Faulkner

Newton Faulkner公式サイト
日本語です。

(y.m.)
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by matsuo-art | 2008-12-16 14:21 | 音楽  

京都市立芸術大学 小ギャラリーにて「シールとパズルのピースとラベル」

研究室卒業生のHさんから展覧会の案内が届きました。Hさんは京都市立芸術大学美術科壁画の4回生で、京都芸大 小ギャラリーにて油画の友人と2人展を開きます。
会期は2008年12月16日(火)〜21日(日)、
タイトルは「シールとパズルのピースとラベル」??

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よくわからないタイトルだったので電話インタビューをしてみたら、「シールとパズル」というのは2人のそれぞれの作風から出てきた言葉で、Hさんの作風を表すのはパズルらしい。「ピースとラベル」はそこから派生した言葉で語呂の良さから採用とのこと。作品を見て「なあるほど」とタイトルが納得できるかどうかは見てみないとわかりません。

会場の小ギャラリーは壁画の展示には向かないということで、今回は壁画ではなく既成の布の模様から発想・展開したパネル作品を制作し、その布とパネルを使って壁面を大きく構成する展示となるようです。(n.m.)
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by matsuo-art | 2008-12-13 02:07 | 展覧会  

神戸市立博物館「コロー 光と追憶の変奏曲 展」

カミーユ・コロー(1796‐1875年)の展覧会に行ってきました。会期最終日+ルミナリエで人が多いのではないかと危惧しましたが、午前中に行くと並ぶことなく入れました。

それでも入ってすぐの部屋は混んでいたので、1点目の自画像だけ少しじっくり観て、あとの風景画は2列目からの鑑賞でほぼスルー。最初の見せ場はコローの作品ではなく、ピサロとルノワールとゴーガンの作品が並んで展示してあるところでした。3点ともタッチの集積で描かれた、樹々が画面全面に展開する風景画でしたが、特にピサロとルノワールが良い。ピサロは不透明だが厚い小さなタッチの集積が物質的な触感を感じさせる画面で、その質感はやはり個人的に好きだなあと再確認しました。ルノアールは同じく小さなタッチでも触感というよりは透明感と色味が増して美しく、画面中央の青い柔らかな光が効果的な秀作でした(ちなみに図録を見ると右側の緑までが青っぽく印刷してあって、その効果がうまく伝わりません)。

もう一つの見せ場はやはり展覧会の売りでもあるコローの「真珠の女」と「青い服の婦人」。これらは他のコロー作品とは別格でしたが、それは実物を見ないとわからないことだと思いました。

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この2点は色に深みがあってきれいなのですが、これは絵描きの技術なのか、のちの上塗りのワニスの効果なのか分かりませんが、黒い暗部にも深みがあります。そして的確な人物描写が魅力なのですが、「青い服の婦人」は筆触がおおらかで、前半の売り絵のような風景画と違い、活き活きとした感じがあります。「真珠の女」も近くで観たときの若干粗い絵肌が、端正な描写のみに絵が収斂してしまわない存在感を与えています。
       コロー「真珠の女」→

「青い服の婦人」は亡くなる1年前の77才くらいで描いた作品で、「真珠の女」はそれよりも6年ほど前に完成した作品。特に「真珠の女」は美術の教科書で親しんでいた作品でしたが、そんな晩年の作品だとは知りませんでした。絵描きというのは年老いてからも良い仕事ができる職業だということで、励みになります。もっともピカソやルノアール、シャガールのように晩年はパターン化してしまった画家もいるので、気をつけなければいけません。(n.m.)
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by matsuo-art | 2008-12-07 21:30 | 展覧会  

滋賀県立美術館「アール・ブリュット展」

先週の金曜日に滋賀県立美術館までアール・ブリュット展(11月30日までで、すでに終了)を見に行きました。会期終了間際で見に行けるのは今日しかない!と午前11時に思い立って強行に出発し、1時間でバッと観て、研究室を開ける4時半ぎりぎりに神戸に帰ってきました。

アール・ブリュットとは何か?図録の冒頭を引用すると、
”「加工されていない、生のままの芸術」を意味する「アール・ブリュット」という概念は、フランスの美術家ジャン・デュビュッフェ(1901-85)が1945年に提唱したものです。当時のフランス美術界のアカデミズム化に反発したデュビュッフェは、精神障害者や幻視者をはじめとする正規の美術教育を受けていない人々が内発的な衝動の赴くままに制作した作品を高く評価し、既成の美術概念に毒されていない表現にこそむしろ真の芸術性が宿っていると主張しました。”
というものです。

今回の展覧会はフランスの非営利団体「abcd(アール・ブリュット:理解と普及)」のコレクション展示ということで、私はその名前から、てっきりデュビュッフェがコレクションした作品を管理している団体だと思っていました。じつはそうではなく、この団体は1999年に一人のコレクターを中心に設立された団体で、”アール・ブリュットの総本山”とでも言うべきデュビュッフェのコレクションは、スイスのローザンヌにあるらしい。

とは言え、アドルフ・ヴェルフリ、マルティン・ラミリス、ヨハン・ハウザー、ヤンコ・ドムシッチ、アンナ・ゼマンコナーなどの驚嘆すべき作品の実物に接することができて、わざわざ見に行った甲斐がありました。ヴェルフリやラミリス、ハウザーなどには1993年の世田谷美術館「パラレル・ヴィジョン展」の図録によって魅せられていたが、実物はそれを裏切ることなく、特にラミリスの独自に抽象化されたシンプルな線から成るドローイングは多くの謎を提供してきます。つまり、”内発的な衝動の赴くままに制作した作品”が、なぜかくも造形的に魅力的なかたちをなし得たのか、という謎です。

ただ、アール・ブリュットの定義付けは難しく未だに確定されていない、と図録に書かれているように「加工されていない、生のままの芸術」という言葉は誤解を招きやすい。正規の美術教育を受けていないとしても、文化的に全く孤立して外部から影響を受けていないということはあり得ないのに、そのようなものとして考えてしまいがちになるからです。さらに今回の中にはカレル・ハヴリーチェックのように、降霊術のような儀式によって絵を描いたりはしたものの、芸術家の家庭に生まれ、特に精神障害の経歴も記されていない作家もいます。

一方で、精神を病みながらも優れた作品を残した作家として我々はゴッホを知っていますが、彼をアール・ブリュットに入れることはないでしょうし、同じく劇作家のアントナン・アルトーも、病んだ精神の中で一度観たら眼が離せない、恐ろしくも魅力的なドローイングを残していますが、アール・ブリュットに入れることはないでしょう。

定義はどうあれ、精神を病んだ人間がその必要に応じて内発的に描いた作品の一部には、我々の精神や心の根源に働きかけ、あるいはわしづかみにしてくる魅力があるのだと言えます。
ただ、こうした作品はアカデミズムの対極にある、とまでは言わないまでも、アカデミズムが基礎としているものと性格を異にしているのも事実ですから、まだアール・ブリュットと対面したことのない美大受験生は、(入試直前の)今は対面せずに、大学に入ってから対面してみるのがよいと思います。(n.m.)
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by matsuo-art | 2008-12-05 03:41 | 展覧会  

イラストレーター ノダマキコさん

朝日新聞を購読していると配布される小冊子「あさひGREEN FAMILY」11月20日号の表紙に、ノダマキコさんのインタビューが写真とともに掲載されています。

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ノダさんは商業施設の広告やパッケージ、ステーショナリーなどで幅広く活躍しているイラストレーターで、松尾美術研究室の卒業生(2期生)です。掲載されている日本酒「沢の鶴」のパッケージはノダさんがイラストレーターとして活動し始めた初期の作品で、研究室にもあります(事務所で飲んでいる訳ではありません!デザインの仕事を紹介する資料用です)。

ファッションビル MEDITERRASSEやジーニアスギャラリー、ミント神戸内の時計店TiCTACやSAZABY神戸大丸店などファッション関係のお仕事も多いだけあって、ノダさんのイラストはさわやかな開放感に満ちた、おしゃれでセンスの良い作品です。三ノ宮や元町を散策する人はどこかでノダさんのイラストを目にしているかもしれませんね。昨年はBEAMS2階のカフェでの展示を研究室の生徒たちといっしょに見に行きました。
ブログの写真もなかなか良いので、のぞいてみてください。(n.m.)
ノダマキコさん HP
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by matsuo-art | 2008-12-01 03:22 | デザイン