卒業生のお仕事2 はらだ有彩さん「日本のヤバい女の子」

当研究室出身で、京都市立芸術大学 美術学科・油画専攻・壁画ゼミ卒業の はらだ有彩さんは、テキスタイルデザイナー、エッセイスト、イラストレーターとして活動しています。今年6月に「日本のヤバい女の子」というエッセイ本を出版しました。
この本は、はらださんがウェブマガジン「アパートメント」に掲載したエッセイを加筆してまとめたもので、イラストも本人が描いています。あとがきなどの一部に漫画形式のページもあります。
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古今東西の昔話や童話には不条理な内容が多いものです。例えば赤ずきんの話では、何の落ち度もない可愛い少女がオオカミに食べられてしまう。小説家の坂口安吾はそうした唐突に突き放されるような不条理を文学のふるさとと名付け、不条理ゆえのリアリティとして文学の基底に位置付けました。

はらだ有彩さんは、これと全く違う視点で昔話や童話の不条理を取り上げています。彼女が取り上げるのは、日本の昔話などに出てくる女の子たち。不条理でヤバい存在として語られる彼女たちも、もともとは生身の女の子だったはず、という考えから、彼女たちの行動をいわば現代の環境に連れ出し、ヤバい行動の理由をはらださんの想像力で丁寧に解きほぐします。彼女たちに寄り添い、彼女たちの生きづらさに共感し、励まします。

「ヤバい」というタイトルからエキセントリックな女の子たちをあぶり出しているのかと思いきやその逆で、エキセントリックな女の子たちに、大丈夫だよ、と応援を送っているエッセイです。特に女性から共感をもって読まれているようですが、男性の私が読んでも面白い本でした。

それにしても当研究室に通っている時はこんなにもの事にこだわって文章を書く人とは思いませんでした。取り上げられるお話は、誰もが知ってるお話もあれば初めて知るお話もあって、そんな不条理な、という不思議な話をはらださんの現代語訳あらすじで読めるのもお得です。(n.m.)
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# by matsuo-art | 2018-10-06 14:53 |  

松谷陽子展

この度、京都の寺院、法然院・講堂で個展を開くことになりました。
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草をテーマとした水墨画、20数点をを展示します。
優しくたおやかに生えている草ではなく、荒々しく、狂ったように伸び、広がり、茂り、覆い尽くす、草の強さに着目しました。
群像的な表現や力強く伸びる様子を、あまり作り込みをせず、筆の動きに任せるように描いています。
また、草の持つ途方もない力を、ある象徴的なモチーフに託しています。
それがこの展示の、草たちのラスボスです。

法然院・講堂はお寺の敷地内にある小さなお堂で、展示や発表のためにお寺が用意して下さったスペースです。
木と白壁で作られた木造のお堂は山を背負って静かに佇んでいます。
今回の作品は自身の作品のもつ色々な特質のうち、エグみのある部分が前に出たように思います。
それも、お寺の、深い緑に囲まれた空間で、浄化されることを期待しています。
周辺には銀閣寺や哲学の道、真如堂など、心惹かれるスポットもたくさんあります。
ぜひ会場に足をお運びいただいて、ご覧いただければ幸いです。

『松谷陽子展』
会期、9月25日(火)〜30日(日)
時間、10時〜17時(山門は16時に閉まります、閉門後は通用道をご利用下さい)
会場、法然院 講堂
〒606-8422京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30

交通のご案内
阪急四条河原町駅より 市バス32 系統銀閣寺前行 南田町下車 徒歩5 分
JR京都駅・京阪三条駅より 市バス5系統岩倉行 浄土寺下車 徒歩10 分
京阪出町柳駅より 市バス17、203 系統銀閣寺行き、錦林車庫行 浄土寺下車 徒歩10 分

(y.m.)

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# by matsuo-art | 2018-09-14 00:03 | 展覧会  

京都市立芸術大学オープンキャンパス 2018

85日(日)に京都市立芸術大学のオープンキャンパスへ行ってきました。昨年はスタッフ2名に行ってもらって私は行かなかったので、2年ぶりです。全体説明会、教員対象説明会、構想設計説明会に参加しました。

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前回はデザイン科の説明会に参加したのですが、各専攻別説明会は同時刻に行われるので、一日中居れば3つの専攻をハシゴできるものの、他にも寄るべき所がたくさんあるので、実際のところ複数専攻の説明会に参加するのはなかなか困難。今年は構想設計に的を絞りましたが、分かりやすい説明で良かったです。


何が一番良かったかと言うと、4人の学生さんが自身の作品や活動をプレゼンしてくれたこと。描画を短編アニメーションに起こした作品やバンド活動している自身のミュージックビデオを作った作品など、映像、音響、PC、インスタレーション等、マルチメディアを使って研究、表現する構想設計の活動を具体的に示してくれました。私がこの大学に在籍してた頃とは随分印象が変わった感じで、時代に合わせて学生さんたちが自由にこの専攻の可能性を広げて行っているように思いました。


説明会が始まる前に学生スタッフさん4人が皆スマホをいじっていたので、保護者受け悪いんじゃないの?と心配しましたが、皆さん、スマホ使ってプレゼンする準備をしてたんですね。邪推して失礼しました。


教員対象説明会では、おもに今年の入試問題を例にとって、アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)がいかに入試問題や採点基準に反映されているかを説明していただきました。特に"自ら課題を見い出し、解決しようとする意欲を持っている学生"を多様な視点から採りたい、という大学側の強い気持ちを感じるお話もあり、いろいろ意見交換も出来て有意義な時間が持てました。


当研究室出身の学生も、オープンキャンパススタッフとして働いていたりライブペインティングをしていたりで、ワークショップのスタッフとして仕事中で話しかけられなかった学生も含め6名に会えましたし、大学会館ホールなどで確認できただけでも5名の作品展示を見ることができました。大学に入ってそれぞれ活動している様子をうかがい知ることが出来てうれしく思いました。また、見学に来ていた3名の塾生にも会えました。(n.m.)


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# by matsuo-art | 2018-08-08 23:26 | その他  

卒業生のお仕事1「あいな里山公園」パンフレット

神戸市北区にある「あいな里山公園」は、都市近郊でありながら田植えなどの農作業、収穫などの里山体験が気軽にできる場所で、里山の自然な風景を残し、樹木、草花、昆虫、鳥など多様な生きものに出会える公園です。その「あいな里山公園」パンフレットのイラストを、当研究室出身の山本佳奈さんが描きました。

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山本佳奈さんは当研究室から京都市立芸術大学へ進学。美術科で彫刻を専攻して動植物の造形美に興味を持ち、花屋で働いたり種苗園で働いたりしましたが、芸大卒業後にもっと専門的な知識を得ようと自然環境系の専門学校に進学しました。そこで出会った人との縁で現在、公益財団法人神戸市公園緑化協会 公園部 あいな里山公園 施設運営担当の技術職員として働いています。パンフレットは山本さんの穏やかな雰囲気が生かされたイラストで、優しい風合いのデザインになっていると思います。

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「あいな里山公園」は、国営明石海峡公園の神戸地区という位置づけになるそうです。『自然と人との共生、人と人との交流』が基本理念の国営明石海峡公園は、明石海峡大橋を中心とした周辺地域の広域レクリエーションに対応するため設置された『淡路地区』(兵庫県淡路市)と『神戸地区』(神戸市)の2地区からなり、平成14年に一部開園した淡路地区は、緑を失った土取り場跡地を花と緑あふれる公園に再生し、現在は年間入園者50万人を超える公園となっているとのこと。


『里地里山文化公園』をコンセプトにする神戸地区「あいな里山公園」は、大都市近郊で気軽に里地里山文化を体験できる公園として、2年前の平成28年5月に第1期開園を迎えました。この夏も「あいな里山の野生どうぶつ展」や、いろいろな里山体験プログラムが企画されているようなので、興味のある方はHPを覗いてみてください。(n.m.)





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# by matsuo-art | 2018-08-03 12:03 | その他  

謹賀新年 2018

明けましておめでとうございます。
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# by matsuo-art | 2018-01-05 20:46 | その他  

姫路市立美術館「リアル(写実)のゆくえ」展

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姫路市立美術館「リアル(写実)のゆくえ」展へ行ってきました(11/5(日)まで)。明治初期(江戸末期)の洋画の導入から今日に至るまでの写実絵画の系譜を紹介した企画ですが、高橋由一や岸田劉生の系譜に重点を置き、黒田清輝による外光派の系譜を意図的に排した展覧会とも言えるでしょう。

私は高校生のときに「日本近代絵画の歩み展」という明治初期から昭和までの洋画、日本画の流れを網羅した展覧会を見に行ったのですが、その時惹き付けられたのが、油彩を日本が導入し始めた黎明期の絵画です。それら暗い色合いの写実に歴史的な重みを感じるとともに、日本の洋画という自我が形成される以前の、無意識の茂みのようなものを感じていたように思います。

今回はその時に見た川村清雄「少女像」や横山松三郎「自画像」も展示してあり、なつかしく思いました。高橋由一の初めて見る作品や、岸田劉生の静物画の良い作品も数点見ることが出来てよかったです(ただし、「冬枯れの道路」と「麗子像(1918年)」の代表作は姫路展不出品)。また、絵を描いていたことを知らなかった伊丹万作の油彩や、その友人でもあった重松鶴之助いう興味深い作家の作品も初めて見ました。少し気になっていた作家の実物を見て、気にする程でもないな、ということも分かりました。

現代の作家では、先にNHK日曜美術館で紹介されていて気になっていた水野 暁「the Voclcanoー大地と距離について/浅間山ー」という作品が、予想通りに大変興味深い作品でした。浅間山を目の前に野外でイーゼルを立て4年掛けて描いたという写実画で、表面を写し取ったという感じではなく、絵画的な質感とうねりを感じる作品です。
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赤レンガの立派な造りの美術館は姫路城を臨む姫路公園敷地内にあり、陸軍の倉庫として建築、敗戦後に市役所として利用したのちに美術館として再生利用されたそうです。いままでにもいくつか観たい展覧会があったにも関わらず行くことが出来ず、今回初めて訪れたように思います。常設展ではマチスの切り絵による「ジャズ」も見ることができましたが、強烈に鮮やかな配色であるにもかかわらず決してエグくならない色彩の使い方は、受験生やデザイナー志望者にも見るべきものがあると思います。(n.m.)
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# by matsuo-art | 2017-11-04 13:11 | 展覧会  

ヨコハマトリエンナーレ2017-島と星座とガラパゴス、その他 その2

その1よりのつづき。
無料の送迎バスで第2会場の赤レンガ倉庫に移動。
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小沢剛の出品作は、「帰って来たシリーズ」の新作「帰って来たK.T.O」。明治の思想家岡倉覚三(天心)のインドでの足取りを追い、帰国後の六角堂での思索に思いを馳せる。インドの看板職人による絵とインドのロックグループが岡倉のことを歌ったミュージック・ビデオの展示。
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中国の作家ドン・ユアンの作品。中国の庶民的な家の内部の調度品、日用品、装飾物、持ち物、食べ物、祭壇などが、几帳面にひとつひとつのパネルに油彩画(アクリル画かも)で精密描写されて、もともとの家を再現するかのように併置、構成されています。(解説によると、これは区画整理のために解体されてしまう予定の作家の祖母の家を再現したものらしい。)そこに込められた意味を度外視しても、変哲もない日用品をひとつひとつ描写し、それを全て積み重ねて提示するというその徹底性が、(執念というよりは)その描写の手並みのクールさも相まってむしろユーモアに転化しているところが面白い、と感じました。
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他にも興味深い作品はありましたが、とりあえずこのくらいで。
展示内容やスタッフの行き届き方はもちろん、会期中に開催されるシンポジウムや関連の企画など(これはパンフなどを見て想像するだけですが)も含め、やはりヨコトリはしっかりした企画の展覧会だな、という印象でした。

その後東京に移動し、上野の東京都美術館で杉戸洋「とんぼとのりしろ」展、
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翌日、埼玉県立近代美術館で遠藤利克「聖性の考古学」展、
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東京・表参道のエスパス・ルイヴィトンでダン・フレイヴィン展、
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乃木坂の国立新美術館でジャコメッティ展などを観ました。ジャコメッティ展では、会場内の一部屋だけ作品を撮影していい場所があって、そこではあの細い人物がさながらスターのように撮影攻めに合っている様子がなんだか笑えました。(そういう私もしっかり写真を撮らせてもらったのですが。)
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東新宿にある合気道本部道場でも朝晩は稽古したので、他にも「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」(東京国立近代美術館)、「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」(21_21 DESIGN SIGHT)など観たい展覧会があったのですが、時間的にはこれが限界でした。(Y.O.)
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# by matsuo-art | 2017-09-10 13:59 | 展覧会