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ブルータスカーサ「新装版 柳宗理」

デザイナー柳宗理の特集。有名なプロダクト製品だけでなく、あまり知らなかった公共物のデザインや、雑誌「民藝」に載せた文章なども紹介されていて充実した内容。特にジャスパー・モリスンが初めて柳のカトラリーに出会うという企画は秀逸で、「ジャスパー・モリスンは柳を知らなかったの?」と思って読んだら、この記事は8年前の話。今では何度か実際にも会っているようで「最も影響を受けたデザイナー」と言わしめている。日本を代表するデザイナーが海外の第一線で活躍するデザイナーにこのようにリスペクトされていることを知ると、なんだかこちらまでうれしくなってくる。
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家には柳宗理のカトラリーとケトルがある。カトラリーといってもスプーンとフォークが2本ずつ、バターナイフが1本あるだけだが、特にスプーンはお気に入り。特徴のある三角形っぽいかたちの美しさはもとより、使い勝手も抜群。一見普通のスプーンに比べて面積が小さいように見えるがそのようなことはなく、口にあたるカーブの具合がとても良い。つや消しのステンレスケトルも機能性から来る四角ばった造形美と質感が絶妙。買った当時は6000円くらいで、デザインの優秀さに比して安い、と思った。

携帯電話などの花形デザインに惹かれるのも良いが、プロダクトデザイナーを目指す受験生にはこのような生活に密着した優れたデザインに、ぜひとも目を向けてほしい。(n.m.)

by matsuo-art | 2008-09-21 18:53 | デザイン  

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