謹賀新年 2024 宗達と友松の「雲龍図」
HAPPY NEW YEAR 2024
新年明けましておめでとうございます。
松尾美術研究室
これは「風神雷神図」で有名な俵屋宗達が描いた「雲龍図屏風」です。ただし、スミソニアン協会フリーア美術館に所蔵されている実物は門外不出で、実際に鑑賞するためにはアメリカの同美術館まで行かなければなりません。
この画像は、昨年秋に京都の建仁寺に展示されていた高精細複製画の様子です。京都文化協会とキヤノンが取り組む「綴プロジェクト」によって制作されました。
高精細とはいえ複製ですから、実物が持つ質感や肌合いから立ち上がるであろうオーラまでは感じることができなかったものの、憧れの作品のサイズ感などを初めて体感することができました。辰年の今年最初にアップさせていただきます。
そして建仁寺には、海北友松が描いた「雲龍図襖絵」もあります。
こちらも作品保護のためでしょう、展示されていたのは複製画でしたが、宗達の雲龍図よりも大きくて迫力のある水墨画です。以前、京都国立博物館で開催された「海北友松展」で実物を観て、心が大きく動かされたことを思い出しました。
ほぼ同時期に活躍した2人の絵師が描いた、個人的には雲龍図の真打と思っている2点の水墨画。複製ながらも同じ空間で揃って同時に鑑賞できたことは感慨深い想いでした。
不穏で不安な時代ではありますが、年頭にあたり、美術が今年も我々の世界に豊かさと平穏をもたらし、我々の心に希望と勇気を与えてくれることを願います。
(n.m.)
by matsuo-art | 2024-01-01 03:14 | その他