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「抽象世界」展と「ジャコメッティと I」展 国立国際美術館

「抽象世界」展とコレクション特集展示「ジャコメッティと I」展を開催している国立国際美術館へ行ってきました。当日が夜も開館している金曜だと気付き画廊回りをした後の夕方から入館したのですが、夜間割引があるとは知りませんでした。得した気分です。

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「抽象世界」展は、大きな物語としてミニマリズムへと帰結した1950~60年代の抽象を離れて近年注目されている抽象作品を取り上げたもの、と理解して見に行きましたが、選ばれた作家はそのフォーマリズムの時代を生きた1923年生まれのエルズワース・ケリーから1975年生まれの比較的若い作家まで、幅広い世代に渡っています。エルズワース・ケリーの作品は切れ味のよいハード エッジでカッコよかったですが、昔の作品がきれいに残っているな、と思っていたら、後で調べると2010( 87才頃!)の作品でした。なるほど。

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そのハードエッジよりも私が興味深く鑑賞したのは、モーリス・ルイスのヴェール絵画と元永定正氏のエナメル抽象絵画にラメや紐などをまぶしたようなジョン・アムレー ダー(1948年生まれ)の作品ですが、こうした”しみ”や”にじみ”や”ポアリング”の方により惹きつけられる理由は何だろう、などとあらためて考えながら上階の「ジャコメッティと I」展へ行くと、 元永定正氏の作品も展示されていました。残念ながらモーリス・ルイスの展示はありませんでしたが。


ジャコメッティのブロンズ彫刻「 ヤナイハラ I」の収蔵を記念して企画構成された「ジャコメッティと I」展、ドローイングや手紙、モデルの矢内原氏が撮った写真のスライド上映など資料価値もあり全体として見応えありましたが、やはり中心はジャコメッティの彫刻と絵画。この2点には求心力があって、たまたま他のお客さんも部屋にいなかったので間近まで寄り、特に彫刻は横から見たり、少し下から見たり(もちろん後ろ手を組んで触る意志がないことを示しながら)いろんな方向からじっくりと見させてもらいました。


彫刻の量感を棒状の極限まで削ぎ落としたジャコメッティですが、「 ヤナイハラ I」頭部のまぶたの厚みや眼球のくぼみなどを見ていると写実的であるとさえ言えます。ただ、ジャコメッティと矢内原氏が写った写真を見ていると、その肉感は矢内原氏よりもジャコメッティ本人のものであるように思えました。

会場を出ようとした直前にこの部屋のみ撮影OKであることに気付き、また戻って撮影しました。

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ところでこの期間、美術館が発行する「国立国際美術館ニュース(月報)」の過去在庫分全てを無料配布しています。すでに持っているのもあっただろうけど確認するすべもないので、置いてあるものすべてをせっせせっせと集めて、大変分厚く重くなりましたが、持って帰りました。(n.m.)

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by matsuo-art | 2019-07-16 01:27 | 展覧会  

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