King Crimson 2015 キングクリムゾン 日本公演 フェスティバルホール大阪

12年ぶりに来日したキングクリムゾンのコンサートに行ってきました。12月13日(日)の大阪フェスティバルホール公演です。
東京公演4日間、前日の大阪公演に続く2015 JAPAN TOUR 6日目の公演です。
12年ぶり、ということは前回は行かなかったのだなあ、と思っているのですが、私がクリムゾンに感化されたのは高校、大学時代のまさに思春期。ロバート・フリップの虜になって、いくつかのバージョンが発売されたソロアルバム「エクスポージャー」も、レコード、CD合わせて4枚くらい持っているのではないかと思う。
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コアなファンには承知のとおり、クリムゾンの絶頂期は1973~74年のライブ演奏にあります。真骨頂はディストーションのかかったヘビーな音による即興演奏で、その緊張感と発散力の強度は他に類を見ません。80年代に再結成されてからもフォローし続けて日本公演にも3度行きましたが、90年代のヌーブォーメタル期が進むにつれ、その音色やインプロの在り方に不満を持ち、失礼ながら見切らせていただいておりました(74年の演奏を基準にしたら、仕方ないですよね)。

そんな訳でしばらく離れていたのですが、40周年記念BOXシリーズ発売で再び付き合い出したある日、気が付けば2014年から新メンバーですでにアメリカツアーを開始しているというではないですか!発売された「Live at the Orpheum」ではアイランド期の楽曲と「The Construction of Light」の演奏が実に素晴らしい。過去の曲を演奏することを拒んできたあのフリップが、数々の名曲をたずさえての再結成ツアーです。

公演前に私が一番期待していたのは「Larks’ Tongues in Aspic, Part 1」の演奏です。今回のツアーでは毎回ではないにせよ、このPart1を演奏してくれているのです。フリップの生演奏でこの曲を聴ける可能性があるなんて誰が想像していたでしょうか。すでに終了した公演のセットリストを見ると、「Larks’ Tongues in Aspic, Part 1」、同じく「Part 2」、「Red」の3曲は演奏したり、しなかったりのようなので、できればPart1を演奏してくれますように!と願いながら行ってきました。

少し時間を押しての開演だったと思います。「演奏中は撮影禁止」などの内容を書いたステージ前の立て看板が取り外されると、自然と会場から拍手がわき起こります。「トニー・レヴィンがカメラを向けたときだけ、撮影OK」というフリップ直々のアナウンス放送後、いよいよメンバー7人の登場で盛り上がる会場。三つ揃えのスーツで現れたフリップはジャケットを脱いで脇に掛け、いつものようにスツールに座ります。昔はフリップだけ照明が逆光で暗く、顔もほとんど見えませんでしたが、今回は他のメンバーと同じ明るい照明。

1曲目はアルバム「ポセイドンのめざめ」からの「Peace - An End」で静かにスタート。その後、「メルトダウン」を含むハードな新曲群へとなだれ込みます。テロなど不安定要素の多い社会情勢と震災による原発問題を抱える日本を意識しての選曲、と私は受け取りましたがどうでしょうか。

「Live at the Orpheum」発売時に疑問視もされていた今回のトリプルドラム編成、ドラムが3人も必要なの?という声は当然ですが、実際に目の当たりにした印象は、これはまさに新たなドラムバンドだ、ということ。ステージ前列に陣取った3人のドラマーの動きが常に目を引き、主要なパフォーミングアクトを担っています。3人でたたいている時もあれば、2人でだったり、1人だったり。このパートではマステロットがたたいているのか、などそれぞれの役割を見る楽しみもあります(ギターも2人いるしね)。マステロットが左側でハードに体を動かしてたたくのに対して、右に位置取るハリソンが姿勢を正しくしてたたくのも好対象。中央のリーフリンはシンセ(機材には詳しくありませんが、まさかメロトロンではないよね?)に専念していることが多いことも分かりました。

前半のヌーブォーメタルな選曲の後、7曲目で「The Construction of Light」、以下「Pictures of a City」「 Easy Money」「A Scarcity of Miracles 」「The Letters」「Sailor's Tale」と続きます。73~74年のライブで数々の即興バリエーションを産んだ「 Easy Money」、アイランド期の名作「Sailor's Tale」を生で聴けて感涙。フリップとは反対側の向かって左側席だったからか、フリップのギター音がもう少し大きかったらなあ、とも思いましたが、後半にかけてあの独特の音色のサスティーンの効いたギターソロも多くなり、オペラグラスの揺れを押さえながら、演奏する様子をアップで見させていただきました。

場内照明が一面赤に変わる演出の「 Starless」で一旦終了。声援に答えるトニー・レヴィンがカメラで観客席を撮影していることに気付き、こちらも慌てて鞄からスマートフォンを取り出してなんとか撮影したのですが、レヴィンが撮影するのはアンコールが終わってからだと思って何も用意してなかったのは不覚でした。
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アンコール1曲目は「The Court of the Crimson King」、そして2曲目が「21st Century Schizoid Man」。
最後のこのスキッゾイドマンの演奏は圧巻でしたね。私はコンサート全体の音量をもう少し下げてもらえたらなあと思っていたのですが、というのも静かなパートも音量が大きくて激しいパートとのメリハリが少なく、音量を若干下げれば音の輪郭もさらにクリアになるのかなと。しかし、スキッゾイドマンの演奏は最初から最後まで、最大の音量音圧が実にふさわしい圧巻の演奏でした。中間部のソロパートは最初にフリップ、次にコリンズ、最後にハリソンで、このハリソンのドラムソロが実に力強い。怒濤のような演奏で終了しました。
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※フリップが前の人の手で隠れて見えない。

個人的にはパート1が演奏されなかったことに少々落胆。アンコールでスキッゾイドマンの始まりを知らせる風の効果音が聞こえると、うれしいやら悲しいやらで複雑な気持ち。スキッゾイドマンの後にパート1ってことはないでしょうからね。宮殿かエピタフ、どちらか抜いてでも演奏してほしかった。

アンコールは3曲あるかな、と思っていたのに2曲。家に帰って他の日本公演を調べてみたら、東京公演の9日と10日も3曲ではなく2曲。でもよく見ると他の公演は全部で18曲演奏していて、7日などは19曲も演奏している。それに対して私が聴いた13日は15曲止まり。しかも前日12日の大阪公演はパート1とパート2とレッドと、日替わりと思われた3曲とも演奏しているではありませんか!それに引き替え我々には、よく考えればそのいずれも演奏されていない!
どうやら曲目的には、はずれくじを引いてしまったようです。

ただ、物品販売で迷って買った「The Elements Of King Crimson 2015 Tour Box」と「RedTシャツ」は、どちらも当たりだった。ツアーボックスセットはブックレット付きのCD2枚組。先に発売されていた2014ツアーボックスセットに毛が生えたものだろうと思い、初音源が数曲だけ入った寄せ集めだろうけれど丁度持ってなかったし、ということで買ったのだが、それは私の勘違いで全くの別物だった。新たに2015ツアー用に編纂されたもので、全29曲のうち20曲がpreviously unreleased on CDとなっており、うち5曲が2014年のリハーサルorライブ。実際、私自身は聴いたことがないものがほとんどで、「Part 2」の2014年リハーサル音のあとに'74年の「Part 2」ライブ音源が続くなど心憎い演出もあり、寄せ集めでありながら全体で聴いてもうまく聴ける構成になっている。CD2のラストには、このメンバーによる2014年10月サンフランシスコ「スキッゾイドマン」が収録されているのもうれしい。
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アマゾンでも買えるようだが、会場で買えば特性タオルもオマケに付いて3,000円。こちらの方が断然お得。私は2,500円のツアーパンフを買わなかったのでわからないけれど、今から残る高松、東京、名古屋公演に行く人は、こちらの方が買い、だと思います。

前回、ライブに行った時買ったTシャツは、サイズが大きすぎてほとんど着ることがない状態だったので、若干お高いTシャツもリベンジで買ってみました。アメリカサイズであることを販売員さんに確かめてMではなくSサイズを買ったのだが、家に帰って着てみるとぴったり。ちなみにフェスティバルホールの物品販売はチケットを持ってない人でも並んで買えるように会場外に設置されていて、なんだか嵐のようだなあ、と思ってびっくりした(嵐ファンの娘は物品を買うためだけに会場に行ったりしていた)。

追伸
トニー・レヴィンのウェブダイアリーに大阪公演の模様がアップされました。2日目の会場風景に私も写っているはずですが、前から18列目の位置は小さくて確認できない。
これを見ると、1日目と違って2日目は3階席の空席が目立ちます。そんなこともセットリストに影響したかなあ。(n.m.)
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by matsuo-art | 2015-12-15 11:06 | 音楽  

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