人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ルー・リード氏死去 享年71 歳

ルー・リード氏の訃報が届きました。 享年71歳。我々世代に多大な影響と業績を残した大きな才能が、またひとつ消え去ってしまいました。

1960年代「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」のリーダーとして活躍したルー・リード氏。私は90年代にルー・リードのソロライブに2回行きましたが、特に1回目のライブがとても良かった。メンバー4人による中規模会場でのシンプルなロック、エフェクト類も60年代・70年代そのままの音で、ダイレクトに身体に響いてくるものでした。

ルー・リード氏について私はそれほど詳しい訳ではありません。「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」はアンディ・ウォホールによるバナナのジャケットでとても有名なアルバムですが、ちゃんと聴き通した記憶はありません。画家で映画作家のジュリアン・シュナーベル氏が撮った、ソロアルバム3枚目「ベルリン」を30年ぶりに演奏したステージ映像も入手しましたが、暗澹たる想いになるその退廃的な暗さは好きになれるというものではありません。それでもルー・リード氏の音楽が私を引き付けて離さないのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバム「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」があるからです。
ルー・リード氏死去 享年71 歳_f0189227_2322112.jpg

このアルバムはすごい。あるいは、このアルバムとの出会い方がすごかったのかも知れませんが、とにかく私にとってルー・リードとは、このアルバムだけでも十分なのです。音楽的な技術がうまいとは決して言えない若者たちが放つこのアルバムの開放感は、そう簡単に他のもので得られる質のものではありません。

その質をもう一度確かめようと手元にあるはずのCDを探したのですが、アトリエに持っていったのか見つけられず、その代わりに1万5千円もする「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート(45周年記念スーパー・デラックス・エディション)」が12月中頃に発売されることを、アマゾンの検索で知りました。未発表の音源、マイナーな音源や映像がいろいろと出てくるのかもしれません。けれどもそれらが、アルバムに凝縮された粗雑な開放感を薄めてしまう可能性もないわけではありません。
 
私は今、1万7千円もするking crimsonの「Road to Red Box」日本版の発売を待ちこがれていますが(日本版が出るという情報を入手して輸入版に手を付けずに待っているのだが、本当に出るのだろうか)、大量の未発表音源を管理し、常にそれらを発表し続けてきたこのバンドについては、未発表音源が何かしらの新たな感動を生むことが期待できるのです。私にとっての「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」は、やはりアルバムだけで十分であるような気がしています。(n.m.)

by matsuo-art | 2013-10-28 22:30 | 音楽  

<< 「犬と歩行視 Part-2」/... ぶらぶら美術館「ロシア・プーシ... >>