ギャラリー16の開廊50周年企画「リレートーク|50 years of galerie16」

ギャラリー16の開廊50周年企画「リレートーク|50 years of galerie16」が9/25(火)から始まっていて、明日29(土)まで行われます。

「2012年9月、ギャラリー16が開廊50周年を迎えるのを機に、各年代ごとにパネリストを迎え、各時代を画する展覧会の記録写真を交えながら、当時の美術とそれらをとりまく状況をリレートーク形式で開催します。関西現代美術の半世紀を検証し、次なるアートウェーブを呼び起す契機になればと考えます。(galerie16)」

このような興味深い企画ができるのは、現代美術画廊の老舗、16さんならではだと思います。昨日27(木)のテーマは1980年代、私も少なからず関係のあった時代なので出かけてきました。

パネリストにはギャラリー16の井上道子さんを筆頭に、建畠晢さん、北山善夫さん、山部泰司さん、中原浩大さん、坂上しのぶさん、それに案内状には書かれていませんでしたが篠原資明さんも加わって7人でのトーク。私は15分前に行ったのですが、会場はすでに満杯の熱気で、パネリストの皆さんが控え場所から入場したあとの椅子を廻してもらってなんとか座れました。終了予定時刻8時30分には終わらないだろうとは思っていましたが、終了したのは10時、夜遅くまで話は尽きませんでした。
聞くところによると連日この時刻までトークしているということなので、今日の90年代も遅くまでお話ししているのだろうと思います。

中原浩大(大学の同期生なので敬称略)とは一時期同じ空気を吸っていましたし、2年上の山部さんたちが自主的にグループ展(スピリチュアルポップ展、フジヤマゲイシャ展、イエスアート展など)を企画して新たな動きを生み出していたのは近くで観ていて、私も途中から参加していきました。ですから、個人的にはひとつ上の世代である北山善夫さんのお話(16さんとの最初の関わりや、ベネチアビエンナーレ、カーネギーインターナショナル出品時のことなど)が知らなかったことも多く、興味深く聞きました。

84年のギャラリー16企画展「方法の現在」は、上の世代を扱って来たギャラリー16が初めて若い作家を取り上げた展覧会と位置付けされていました。建畠さんの人選で松井紫郎(大学の同期生なので敬称略)と松尾直樹(私)の2人が選ばれましたが、中原自身が昨日言っていたように、当初、中原浩大も含めた3人が候補に挙がっていたのです。その時の裏話を少しすると、3人の中から2人に絞るために、京都芸大の卒展の作品を観て決める、となったのです。

それで、卒展に展示し終えて、ぐるっと彫刻スペースを観てまわった私は、これは彫刻の2人が選ばれるだろうなあ、と思いました。特に、手跡が粗く残る巨大な油粘土の球体に、美しく輝く銅板の耳2つを付けた中原浩大のアルテ・ポーヴェラ的作品(通称、ねこちゃん)は、出色の出来だと思いました(彼が粘土の素材感をそのまま出した最初の作品かな?)。今でも好きな作品ですが、それがちゃんと賞も捕っているので、彫刻科はきちんと評価しているなあ、とも思いました。というのも、中原の作品は独特な上に少し先を行っていたので、上の世代には分かりずらいだろうと思っていたからです。
それに対して油画科の展示は、京都市美術館の当時の汚れた、しかも手すりが腰の高さにずっと連なっている壁に、作品数の多さから50㎝間隔くらいでびっしり並べられるという酷いものだったので、”描かれた形象の浮遊”という私の意図は伝わらないだろう、と思ったのです。

結果として中原浩大が落選したわけですが、中原はその落選で、自分の感覚は人には伝わらないのだ、だからそういうものとして迎合せずにこれからもやっていこうと意識した、と言うあたり、彼らしいと思って聞きました。

今回のリレートークは5日間をまとめて後日冊子にするということで、楽しみに待ちたいと思います。(n.m.)

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by matsuo-art | 2012-09-28 21:30 | 展覧会  

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