「はじまりの記憶 杉本博司」

「はじまりの記憶 杉本博司」を観ました。

「はじまりの記憶 杉本博司」は、現代美術家・杉本博司に長期密着取材したドキュメンタリーです。WOWOWで放映された45分の番組に新撮映像を追加して編集した83分の劇場公開版です。

大阪と京都で8月に上映していたときには杉本氏本人が舞台挨拶に来る日があったので、本当はそのときに見に行きたかったのですが、当日用事ができて行けずじまい、結局本日、新開地アートビレッジセンターでの上映最終日に観てきました。
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コンセプチュアルな写真作品から出発して、近年は彫刻、建築、伝統芸能(文楽、能)にまでその表現活動を広げている杉本氏。その制作の現場に取材して、氏の素顔と作品の全体像を伝えています。

氏のドキュメンタリーは2009年の国立国際美術館「歴史の歴史」展覧会時にも1本観ていますし、他のテレビ番組でも観たことがありますが、建築シリーズの撮影現場、護王神社の詳細、若き日のアイディアスケッチ帳、2011年の能舞台の演出など初めて知るシーンも多々ありました。

特に、氏の代名詞ともなる「海景」シリーズを撮った最初の動機が語られるところは、この映像作品の核となっています。その関連場所に能舞台を作り、さらには日本文化を未来へ継承する活動拠点へと展開する。過去と未来が重なり、個人史と人類史が交錯する、それがこの作家の醍醐味であり、作品の多くがミニマルで静的な外観を呈しているにもかかわらず、ダイナミックな魅力を感じる所以です。(n.m.)
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by matsuo-art | 2012-09-14 22:49 | 映画  

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