ちりとてちん と 崇徳院

NHK大河ドラマ「平清盛」と同じ脚本家作で朝ドラの名作「ちりとてちん」の総集編を、先日NHKBSで放送していたので観ました。

「ちりとてちん」は、貫地谷しほり演じる福井県小浜育ちの少女が大阪に出てきて落語家を目指す、泣き笑いのストーリーです。解散に追いやられた落語家一門の徒然亭が師匠のもとに再び集結する時、弟子たちが「せをはやみ~」と大きな声で落語の練習をするのですが、それを聞いていて、はっとしました。落語の中に出てくるその歌は、保元の乱で平清盛に破れ、讃岐に島流しにされた崇徳院が詠んだものだったのです。

 瀬をはやみ 
 岩にせかるる 
 滝川の 
 われても末に 
 あはむとぞ思ふ

「岩で二手に分かれている川の流れがまた合流するように、今別れ別れになっているあなたともまたいつか逢いたいと思う」という内容が、師匠と落語を愛する弟子たちの心情に重ね合わせるように使われていたのでした。そしてその落語の題名は、まさしく「崇徳院」だったのですね。

「平清盛」の第30回 ”平家納経” では、厳島神社に平家納経を奉納するために瀬戸内海を航行する清盛の一行と、鬼のような生き霊と化した崇徳上皇の血染めの呪詛が対決するという、これまた視聴率を無視するかのような、ものすごい演出でした。

崇徳院の怨念(?)によって「平清盛」と「ちりとてちん」が結びつけられていたのには驚きましたが、戦いに敗れたり、島流しにあったり、左遷されたりした不遇な魂たちが、この国の文化の重要な一翼を担っていると言えるのです。(n.m.)

by matsuo-art | 2012-08-27 22:43 | TV  

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