キアゲハの蛹化

アゲハ蝶がベランダの植え込みをひらひらと飛んでいると思ったら、気がつけば幼虫がパセリの葉に4匹いるのを発見し、そのうち3匹が蛹化しました(もう一匹は発見できていない)。調べてみるとキアゲハの蛹でした。

キアゲハの幼虫は最初は保護色でまわりに馴染んでいるのですが、5齢になると毒々しく目立つ警戒色になります。
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それぞれ元いたパセリの植え込みから少し移動して蛹化しているのですが、最初に発見したのはベランダに立てかけたよしずに付いて前蛹の状態になっていたもの。次に発見したのがベランダの白い壁で前蛹化したもの。そして、一日遅れで竹の支柱上部で前蛹化したもの。
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いずれも警戒色のままの前蛹の状態から知らないうちに脱皮していて、1日で蛹化しました。
感心させられるのは、今度は周囲に合わせて保護色になっていることです。緑、白、そしてよしずに付いた蛹は、よしずのように縦縞になっています。細い糸でくっついていて、先日の暴風雨でもびくともしませんでした。
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そもそも昆虫の幼虫がさなぎを仲介して成虫になるのは、生命の驚くべき神秘です。このような完全変態の場合は、幼虫と成虫の形態が全く違います。水中にいた生物が進化の過程で徐々に陸に上がってヒレが足になった、という場合には連続した流れを感じるので理解できますが、この飛躍には理解し難いところがあります。
蝉やトンボのような不完全変態の場合は蛹を作らず、幼虫は成虫と同じような足を持っているなど似たかたちで、まだ地続きのような感じがします(とは言っても地中や水中にいたものがいきなり練習もせずに空の住人になるのには飛躍がありますが)。完全変態の場合は蛹内部で大改造が行われているらしく、一度ドロドロになってタンパク質を成形し直しているというのです。蛹の形が、鋳造彫刻のようにその雌型になっているというのですから驚きです。さらに秋に蛹化した蛹は、そのまま越冬するというのですから、これまた不思議です。

それでこれを機会に少し考えてみたのですが、完全変態は、不完全変態からさらに「幼虫が進化した」形態ではないか、というのが私の考えです。もともと蝶も不完全変態だったのが、幼虫時にひたすら葉っぱを食べて栄養を蓄積し、短時間に蛹化および羽化ができるかたちに特化されたのだ、ということです。そう考えると理解できます。蝶の幼虫も、もともとは蝉やトンボの幼虫みたいなかたちだったのが、進化の過程で、徐々に芋虫状態になっていった、という解釈です。
一般的な学説がどうなのかは知らないので、もしかしたらこの私の説は専門家には常識であったりするのかもしれませんが。

調べたところによると蛹化から羽化まで約2週間だということでしたが、実は今日、気がつけば縦縞と白は、すでに羽化していて空っぽでした。まだ10日ほどしか経っていないし昨日までは蛹のままだったのですが、羽化の様子も、成虫になった姿も見られなかったのは残念です。
残る緑色の蛹の羽化が見られるとよいのですが。(n.m.)
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by matsuo-art | 2012-07-19 15:20 | 自然  

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