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百獣の楽園ー美術にすむ動物たち/京都国立博物館

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京都国立博物館で開催中の「百獣の楽園ー美術にすむ動物たち」展に行ってきました。京博のコレクションの中から動物をテーマにした作品を選んで、「犬」、「牛」、「馬」、「獅子」、「虫」、「鹿」、「象」・・・等のようにテーマ別に集めて展示するという楽しい企画です。夏休みということもあって子供連れの家族やカップルなども多く、会場はとても賑わっていました。

古くは縄文式土器、漢代の青銅器、古墳時代の埴輪、唐三彩から、幕末・明治の河鍋暁斎や富岡鉄斎まで、非常に幅広い年代とジャンルからのチョイスが楽しいです。また、若冲の「群鶏図」や「百犬図」、狩野元信「四季花鳥図」、俵屋宗達の「牛図」、尾形光琳「竹虎図」、「十二類絵巻」、「華厳宗祖師絵伝」などといった非常に有名な作品もあれば、このような企画でもなければなかなか目に出来ないような作品と出会う楽しさもあります。

個人的には、今回の展覧会の作品中、最もびっくりしたのがこの長沢芦雪の「朝顔に蛙図襖」。
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ほぼ朝顔の蔓の線と細い笹の線だけで斬新な空間を創出していて、その独特な空間の質と表現の大胆さ、そして完璧と言っていいようなバランス感覚には見ていてゾクゾクさせられました。
「広い襖の画面に蔓と笹の線が引かれている」というよりも、線によって分割されている空間の質が明らかに違っており、そうした質の異なる空間が蔓と笹の線を境に緊張感を持って拮抗しているのです。
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あたかもユーラシアプレートと、南海プレートと、太平洋プレートが(蔓と笹の線を境に)せめぎ合っているような感じといえば伝わるでしょうか?
また、濃い墨色の朝顔の花や笹の葉の強弱が空間にリズムや震幅をもたらしているし、蛙の位置や形状も必然性を持っているように見えます。非常にシンプルな画面ながら細部まで綿密に計算されていて、過不足なく表現され切っているすごい作品だと思いました。

狩野元信の「四季花鳥図」も、花鳥に関しては宋元画に通じるような丁寧な観察と格調の高い描写に打たれました。
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後、そうした芸術的な感銘とは違いますが、個人的にヒットだったのはこれ。
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室町時代の画家、雪村周継の「猿蟹図」。展覧会場のこの絵についての解説には「小猿たちが一匹の蟹を捕まえて戯れる場面を描いたものだが、これほど愛らしい雰囲気を持つ猿はほかにない」とあります。う〜ん???僕にはか弱い蟹に殴りかかるいじめっ子(まるでジャイアン)みたいな猿にしか見えないんですが・・・。
さらには、河鍋暁斎の「惺々狂斎画帖」の中の「化け猫」の図。「ニャ」とばかりに出てくる化け猫の視線と吉本新喜劇ばりにぶっ飛ぶ旅人の姿が笑ける。
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是非、展覧会場で自分のお気に入りを見つけてみてください。(Y.O.)

会期:7月16日(土)〜8月28日(日)
休館日:月曜日
開館時間:9:30〜18:00(毎週金曜日は20:00まで)
観覧料:一般1000円  大学・高校生700円  中学生以下無料
(キャンパスメンバーズ会員校の学生証を提示すると無料になります。)

by matsuo-art | 2011-08-15 14:23  

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