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西宮船坂ビエンナーレ2010レポート

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「西宮船坂ビエンナーレ2010」とは、兵庫県西宮市の北部、山口町船坂地区で開催されているアートプロジェクトです。
昨年2009年にプレ展として行われた「西宮船坂ビエンナーレ2009-プロローグ-」を経て、今年から隔年で開催されることが正式に決定したそうです。
このイベントには当研究室の卒業生Iさんが実行委員として参加しています。
昨年の開催時にイベントの案内に来てくれました(昨年度の記事はこちら)。昨年は訪れることが出来なかったのですが、ちょうど3ヶ月ほど前に偶然にも画材屋さんでIさんに再会し、今年も開催されていることを聞いていました。今年こそ行ってみたいと、昨日、秋晴れの日曜日に出かけてみました。

有馬温泉駅からバスで向かいました。温泉街を抜けて山道を走って10分で船坂地区に到着。山道を抜けると田畑が広がる集落があり、その辺り一帯が会場になっていました。ちなみに現地で待ち合わせた友人は西宮北口駅からバスで50分ほどで着いたそうです。
赤い「のぼり」を目印に辿っていくと小さな小学校があり、そこが総合案内場とメイン会場になっています。「旧」となっていますが、今年の3月で閉校したとのこと。まだ人のぬくもりの感じられる建物が、使われていないと思うとほんのりせつない気持ちになりました。
学校の向こう側に広がる丘状の棚田エリア、湯山古道エリア(古民家の多い集落)も会場となっています。

「旧船坂小学校」の教室や校長室などの各室が展示会場でした。
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教室前のテラスにも作品がありました。見晴らしのよい気持ちの良い空間です。
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家庭科室。藤本由紀夫さんの作品。
吊されたミラーボールが、外からの光りを受けて表情を変えます。
この日は晴れたり曇ったりを短い時間で繰り返していたので、見ている間に暗くなったり急にたっぷりと日が差したり、この作品を鑑賞するにはぴったりの日でした。
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日を受けると光りのドットがくるくる舞います。
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この日卒業生Iさんが案内を担当していた、茅葺き屋根の古民家の会場。田中直樹さんの作品が見えています。
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棚田近くの茅葺き屋根の家。「古民家再生プロジェクト」として武庫川女子大の先生、学生さんが中心となって、屋根を葺き替えたりしているそうです。ビエンナーレ後もプロジェクトは続くそうです。赤い「のぼり」が作品へと導いてくれるビエンナーレの目印です。

地図を片手に半日かけて会場をめぐりました。
歩いて見て回るにはちょうどよい距離でした。各エリアでの見える風景の味わいがそれぞれ違っていて、場所の空気を感じながら、作品を探して歩くことが純粋に楽しく思えました。
大規模な美術展を見慣れていると、作品の規模がこぢんまりしているような印象もあるのですが、逆に小さなまとまり感がありひとつの個性のようにも感じられました。
今後さらに国際的なアートイベントにしていく計画もあるようで、今後の展開が楽しみです。

会期は10月10日(日)〜11月14日(日)。
残すところあと一週間、ぜひ足を運んでみてください。
「西宮船坂ビエンナーレ2010」公式HP          (y.m)

by matsuo-art | 2010-11-08 11:32  

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