蛇イチゴ

西川美和監督の「蛇イチゴ」を観ました。一見平凡で普通に見える家族がどんどん崩壊していく、というブラックな内容なのですが、それをコメディタッチで笑いに変えて描いています。監督第一作とは思えない出色の出来です。

主役は雨上がり決死隊の宮迫博之氏です。期待通りの名演でしたが、妹役のつみきみほさん、父親役の平泉成さんと、俳優陣の皆さんがハマり役です。きまじめな妹よりも宮迫氏演じる、うそつきでいいかげんな”お兄ちゃん”と意気投合する母親、あの味のある役は誰がやっていたんだろうと後で確認すると、なんと大谷直子さんでした。全く気付きませんでしたが、この配役に拍手です(チラっと佐藤浩市氏が出てくるのですが、なぜかクレジットされていない)。

やはり脚本が秀逸で、登場人物のからみが多い分、こちらのほうが長編2作目の「ゆれる」よりも人間の心理を描いていく手腕はさえていると思いました。
映像の切り取り方もなかなかよくて、シリアスで暗い「ゆれる」と違って”好きな映画!”と即答できる内容でした。

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ところでこの写真は、8月初旬に和歌山に旅行したときに、川湯温泉キャンプ場の脇で撮影したものです。そのときはこの実が「ヘビイチゴ」だとは知らなかったのですが、映画を観て「あっ!」と思った次第です。「蛇イチゴ」というタイトルは、毒気がありながらも、こっけいでいとおしい人間模様を描いた本作にぴったりなのです。

DVDには監督のインタビューと、音楽担当のカリフラワーズのライブ映像が1曲入っているのも楽しめます。(n.m.)

by matsuo-art | 2009-08-21 03:56 | 映画  

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