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篠山チルドレンズミュージアム

篠山のチルドレンズミュージアム、通称ちるみゅーは、学校統合で閉鎖された中学校を再開発して作られた施設。
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何度か子供といっしょに行ったことがありますが、とても気持ちの良いところです。校庭には芝生が敷かれ、中央には大きな木があります。校舎の裏は里山があって、散策もできます。田んぼや畑、ビオトープも隣接していて、田植えや稲刈りも体験できます。
木造2階建ての校舎にはワークショップ棟、子供グラフィティ棟、レストラン棟などがあり、アートアベニュー、絵本の部屋、くるくるグラフィティ、世界の10才、子供横町、ひみつBOXコーナーなど、いろいろ遊べます。庭には大きなシャボン玉を作って遊べるシャボン玉ガーデンや彫刻的な遊具もあります。

たとえば「ひみつBOXコーナー」では、たくさんあるひみつの箱から1つを選んで、カウンターのスタッフから借りて来ます。1つ1つの箱が違う仕掛け、内容になっているので、子供たちは夢中になって次から次へと借りて遊びます。「くるくるステーション」では、回転寿しのようになつかしいおもちゃが回り、100種類の”くるくるペーパー”や昔の遊びが詰まった引き出しがあります。「アートアベニュー」には科学的な仕掛けで遊べる装置があって、どれも良くできています。「世界の10才」では世界のいろいろな民族衣装を実際に着ることができます。絵本のコーナーには良質な絵本がいっぱいあって、私はここで荒井良二さんの絵本をたくさん読破しました。また、ワークショップスペース、里山、田んぼなどで様々なワークショップが年間を通して企画されています。芝生の校庭は気持ちがよいので、天気が良ければショップで買った100円程度の昔ながらの飛行機を飛ばすだけでも楽しめます。

ところがこのちるみゅー、休館の危機にさらされています。もともと99年の「平成の大合併」トップバッターとして生まれた篠山市。ちるみゅーはそのときの「合併特例債」などの借金で作られた「ハコモノ」です。18億円かけて作られましたが、市の借金が膨らむ中で見直し対象になり、来年春までに収支改善がなされなければ休館との方針が出されています(7月2日の朝日新聞朝刊に知事選にからめて関連記事が載っています)。

運営を考えずに施設だけを作ってしまうハコモノ行政は批判されるべきですが、しかしこのちるみゅーは「創造性豊かな人づくりと、子どもたちの「生きる力」を育む拠点」として優れています。これを採算がとれないからなくすというのは、あまりにももったいない。運営がむずかしいのは、残念ながら交通の便が不便だからです(実際、車がないとなかなか行くことができません)。でもこの場所でなければ、この施設はできなかったと言えますし、すぐれた文化・芸術がかならずしも採算がとれる訳ではないので、必要ならば保護しなければいけません。

小さなお子さんがおられる方は是非行ってみてほしいと思います。また、将来美術の教師をめざしている受験生や学生さんにも、美術と子供の教育との関わりを考える上で参考になると思うので、是非行ってほしいと思います。(n.m.)

by matsuo-art | 2009-07-04 02:40 | その他  

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