ピナ・バウシュ死去

マイケル・ジャクソンが亡くなったと聞いても私はファンというわけではないので、「もしもプリンスが亡くなったら悲しむだろうな」とか思いながら、特にショックというわけではなかった。それでも一世を風靡したおなじみのメロディなので、スリラーやビート・イットの曲が頭の中で反復していたりするし、亡くなる2日前の元気なリハーサル姿の写真などが公開されると、なんで亡くなってしまったんだろう、と思ったりする。

そんな矢先のこの記事。マイケル・ジャクソンの記事がまだ大きく取りあげられている今日の朝刊、社会面左下隅に小さく載っていたのを見落としていて、夜に家に帰ってから知った。
「ドイツの舞踏振付家 ピナ・バウシュさん死去」
享年68歳。
これはショックだった。

ドイツのブッパダール舞踏団を率いるピナ・バウシュの作品は、ダンスに演劇的な要素を取り入れた独特の手法で、「タンツテアター」とも言われている。演劇的といってもストーリーが明確にある訳ではなく、ダンサーの個人的な体験から取り出されながらも原因を剥奪された感情的な行為など、一見ダンスの外側にあるような様々な要素を紡ぎ合わせ、とても印象深く、強力な舞台を作り上げる。ピナの手にかかると、実はこれこそがダンスではなかったか、と思うほどに、大きな驚きと感動がある。

ピナ・バウシュが亡くなってもその作品は団員が伝え続けるだろうが、新作はもちろん、旧作のピナ自身による新展開は、もう望むことができない。そう思うと、実は生前に1度だけしか実際の舞台を見ていないこと、それもピナ本人が踊っていたにもかかわらず若干印象の薄い作品であったことが、私のピナ・バウシュ体験として残念に思うところである。

私がピナ・バウシュに魅せられたのはその映像作品を見てからで、そこではダンサーにインタビューしながら作品を形作って行く特異な制作過程と、代表作品の断片を見ることができます。過去に研究室でも数回上映しましたが、また機会があれば写してみたいと思います。(n.m.)

by matsuo-art | 2009-07-01 11:44 | その他  

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