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謹賀新年 2021年

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明けましておめでとうございます。



# by matsuo-art | 2021-01-01 20:56 | その他  

兵庫県立美術館「ミナペルホネン/皆川明 つづく」展

兵庫県立美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展へ行ってきました。今年で設立25周年を迎えるブランドのミナ ペルホネンと、その設立者のデザイナー、皆川明を紹介している展覧会です。流行に左右されず、長年着用できる「特別な日常服」をコンセプトに独自のものづくりを続けているその活動は、ファッションのみならず、インテリアや食器など生活全般へと広がっています。


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会場へ向かう階段を上がっていくと、一面にクッションが敷き詰められた壁が現れます。


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会場では、生地や衣服、椅子や食器などのプロダクトに加え、デザインの原画、挿絵や壁面ペインティング、映像、印刷物、建築物など、皆川明の創作の背景を浮き彫りにする作品群と資料が展示されています。

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皆川明がデザインする生地の図像や模様は、どこか昭和のテイストが漂っています。私が小さい頃に母親が持っていた婦人雑誌の挿絵や、当時のこども向け絵本に描かれたかたちや色の記憶、そうした意匠がそこはかとなく甦ります。それは洗練されない野暮ったさを持ちながらも、それゆえの質感や感情の現れというものを内包しています。

こうした昭和の記憶を持たない若い人にはどのように映るのだろうか、と考えたりもしますが、このテイストは、そぎ落とされたフォーマリスムへと行き着く前の、マチスやブラック、クレーなどがいるモダニズム萌芽の地平でもあるでしょう。それは感情や記憶とつながる地平であり、洗練されすぎたビジュアルを迂回する、絵描きとしてのデザインだと言えます。


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展示構成を担当したのは、デビュー作のエストニア国立博物館でよく知られる建築家の田根剛です。場所の持つ記憶をテーマにした建築に取り組むとともに、いくつかの展覧会構成の仕事でも注目されています。ここでは、実、森、根、種、などの名前を与えられた8つの部屋で空間を構成していますが、不揃いの小さな玉が輪に繋がったtambourineという図柄をミナ ペルホネンの象徴として最初の部屋に持ってきたのは、田根剛のアイディアだということ。皆川明のコンセプトを理解し、空間全体に落とし込んだ構成と演出に注目してこの展覧会を味わうこともできるでしょう。

心地のよい刺激を与えてくれるこの企画、ファッションだけでなく、それ以外の美術、工芸、デザインを志ざす受験生にも是非観てもらいたい展覧会だと思います。(n.m.)

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# by matsuo-art | 2020-10-13 03:04 | 展覧会  

松谷陽子水墨画展「影をたどる」のご案内

スタッフをしています松谷が個展をすることになりました。

『松谷陽子水墨画展 影をたどる』
というタイトルで展示します。
今回の作品は影がテーマになっています。
植物観察が好きで、時間を見つけては散策をしてり近くの山を歩いたりします。
日差しが強い時期は影を縫うように歩きます。
植物の造る影の形は複雑で、ゆらぎがあり美しく、きれいな影の出ているところを選んで歩いたりもしました。
また、日陰の場所にも植物が満ちています。特にシダの種類の多様なことにも驚かされます。
そんな中で生まれたテーマが影をたどるです。

陰から想像したイメージと、シダ植物の絵で構成しています。
普段は植物画を描くことが多いのですが、抽象的なニュアンスを含んだ作品が多くあります。
水墨の墨一色の力を味わっていただけたら幸いです。

■松谷陽子水墨画展「影をたどる」
10月20日(火)〜25日(日)
ギャラリーPaw
https://www.facebook.com/ashiyapaw/
芦屋市精道町2-15
時間:12時〜18時(最終日15時まで)
在廊予定日:20日(火)、21日(水)、24日(土)、25日(日)
http://maysheep.com/2020koten/2020koten.html

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y.m.



# by matsuo-art | 2020-10-12 10:34 | 展覧会  

六甲ミーツアート2020「六甲イカスヴィラ」他

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」へ行ってきました。

2010年から始まり11回目となる「六甲ミーツ・アート」。現代アートと六甲山の魅力を伝えることを目的に六甲山のいろいろな施設を使って現代アート作品を展示しています。今回は、私も一時期参加していたこともあるNPO法人「CAP 芸術と計画会議」が遊休施設となっていたスカイヴィラ別館を一棟丸ごと使い、「六甲イカスヴィラ」と名付けて展示をしているので行ってきました。

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1人のアーティストが1部屋を使いながら作品を展開しているとともに、階段、廊下にも展示があります。

天気が良かったので、部屋からの眺望も気持ち良い眺めでした。

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この六甲イカスヴィラは賞を受賞していますが、スカイヴィラ本館には他の賞を受賞したアーティストの作品も展示しています。ここのレストランに予約して昼食をとりました。

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また、ドイツのブレーメンで活動するギャラリー・へロルドとC.A.P.による交流プロジェクトSee Saw Seeds EffectENJOY MISUNDERSTANDING in KOBE」として71組のアーティストが招待作家として参加していて、六甲山上駅では61組は六甲ケーブル山上駅で展示しています(1名はイカスビラで展示)。こちらにも寄ってきました。

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ちなみに上記の施設はすべて無料ですが、他の施設はチケットが必要であったり、コンサートの予約が必要だったりします。他にも施設を巡ろうかと思ったのですが、道路が大渋滞になっていたので諦めました。山の道路事情はどうなっているか分からないので早め早めの行動がよいようです。公共機関を利用の場合は最悪下山出来ないということにもなりかねないので、注意しましょう。(n.m.)

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# by matsuo-art | 2020-10-02 12:55 | 展覧会  

@KCUAギャラリー「おかんアートと現代アートをいっしょに展示する企画展」

現在、京都の堀川御池にある京都市立芸術大学のサテライトギャラリー@kcuaでは、「おかんアートと現代アートをいっしょに展示する企画展」が開催されています。「おかんアート」というのは、よく実家や祖父母の家に帰った際に、玄関や窓際やタンスの上などに飾られている、様々な手芸作品や工芸作品が「おかんアート」と呼ばれているものです。(軍手で作られた犬や猫、パッチワークの座布団カバー、チラシを使った造花などなど)様々なおかんアートを誰しも見たことがあると思います。


おかんアートは“ちょっとダサイもの”や“もらうと困るもの”というやや残念なものとして扱われることが多いですが、この展覧会はおかんアートの面白さに着目し、実際のおかんアートと、おかんアートと共通する手法や空気感をまとう現代美術作家の作品をいっしょくたに並べて展示するという面白いコンセプトで企画されています。私も友人の八木春香さんが出品していたので足を運んできました。


1階ではマニラを拠点に活動している作家さんと京都市立芸術大学の卒業生とのグループ展が開催されていました。階段を上がって、2階の会場でおかんアート展は開催されています。会場内にはおかん達の”何かを作らずにはいられない気持ち”が溢れでるように、膨大な量のおかんアート作品が展示されていました。


中でも犬や猫は人気のモチーフらしく、様々な手法で作られた愛くるしい顔の犬や猫たちが展示台の上でひしめき合っていました。


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5匹のシリーズ


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・八木春香さんコーナー


八木春香さんの作品は一見可愛らしい架空の生き物のように見えますが、「妊婦」や「オリンピック」や「舌ピアス」や「古代の造形物」など、作者が生活の中で目にしたわりと現実的なものがモチーフとなっています。そしてタオル掛けやバッグやトイレットロール入れなど、実用性も兼ね備えています。今回は出品していませんが、彼女はとても面白い油絵も描いています。


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・土器バッグ(八木春香)

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・ピラティスのポーズの壁掛け(八木春香)

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・現代美術作家の青木陵子さんの作品

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・その他のおかんアート作品

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※画像がいくつか横向きになってしまっていますが、ご了承ください。



膨大な量のおかんアートと、おかん達の旺盛な創作意欲に刺激をもらってとても楽しい展覧会でした。オンラインからは期間限定で作品の購入もできるようです。暑い日も続き、コロナウィルス感染拡大の心配もあり、なかなか足を運ぶのは難しいと思いますが、是非Webページを覗いてみてください。



「おかんアートと現代アートをいっしょに展示する企画展」

8月8日(土)~8月30日(日)

月曜日休館

https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2020/307/



# by matsuo-art | 2020-08-21 21:00 | 美術  

京都市京セラ美術館「杉本博司 瑠璃の浄土」展

京都市美術館は、京都市立芸術大学在学中の毎年2月に制作展(現作品展)の展示で利用していた美術館です。当時からすでに老朽化を感じさせる風情でしたが、それもそのはず、1933(昭和8)に開館され、公立美術館として日本に現存する最も古い建物とのこと。その美術館がこの春にリニューアルされて京都市京セラ美術館として生まれ変わりました。


当初は3月に新しく開館する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の広がりで5月までずれ込みました。開館当初は京都市民限定の予約制でしたが今は誰でもできるようになったので、予約をして行ってきました。

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今回のリニューアルを手掛けた青木淳氏は、ルイ・ヴィトンの店舗や青森県立美術館などを設計している建築家です。独立する前の磯崎新氏の建築事務所では、らせん状のタワーで有名な水戸芸術館にも関わっていました。美術との関係が深いこともあり、京都市京セラ美術館の館長も兼任されています。青木淳氏の建築事務所には神戸芸術工科大学建築科卒の知り合いが就職していた関係で、ずいぶん昔に一度お邪魔をさせてもらったことがあります。


今回のリニューアルでは正面入り口の広場を緩やかなスロープ状に掘り込んで、地下1階から入館するという驚きの仕組みになっています。1階扉も残っていて、展覧会によっては開けるのかもしれませんが、今回は閉まっていました。

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京芸の制作展では彫刻科の作品が毎回展示されていた中央吹き抜けの広いスペースも、真っ白できれいになっいました。新しく設置した螺旋階段で2階へ上がれるようになってます。本来このあたりは入場券がなくても自由に入れるフリースペースだったはずですが、コロナ禍を考慮して今は展覧会を予約した人しか入れません。

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現代美術を展示するために新しく作られた新館 東山キューブでは「杉本博司 瑠璃の浄土」展が開催されています。

杉本博司氏は、写真から出発して、古美術、建築、浄瑠璃、科学、宗教など様々なジャンルを横断した作品で世界的に活躍している現代美術家です。今回の展示でも代表作の海景シリーズ、三十三間堂の千手観音などの写真作品だけでなく、古美術のコレクションや直島の護王神社の模型、巨大なプリズム装置や茶室など、幅広い領域への関心と思考が交錯する展示になっていました。

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鎌倉時代の水晶五輪塔

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アイザック・ニュートン「光学」初版本

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硝子の茶碗

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イミラック隕石

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龍頭 鎌倉時代

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法隆寺 瓦 平安時代

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ニュートン式スペクトル観測装置。周辺では虹のように分光された光がいくつか観察できる。

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硝子の茶室


京都市京セラ美術館を出た後は、京都国立博物館近くの三十三間堂へも行ってきました。博物館へ訪れる度に帰りに立ち寄ろうと思っていた三十三間堂ですが、疲れたり時間切れだったりで未だ行ったことがなかったのです。杉本氏の写真作品を観た後にやっと実物を見ることが出来ました。(n.m)


# by matsuo-art | 2020-07-30 01:00 | 展覧会  

漫画家ジョージ秋山先生の訃報

代表作「浮浪雲」で知られる漫画家のジョージ秋山先生がお亡くなりになった。享年77才。まだお若いとも言えるのに残念に思う。ご冥福をお祈りします。

我々の世代は幼い頃の娯楽としてテレビアニメが隆盛だったが、それ以前からあった娯楽が少年マガジンや少年サンデー、少年キングなどの漫画雑誌だった。その最初期の出会いとして覚えているのがジョージ秋山先生が描くギャグ漫画で、幼い私は先生の「ほらふきドンドン」と「パットマンX」のファンだった。私にとって先生はまずギャグ漫画の人だった。ユーモアというものを最初に教えてくれた人だったのかも知れないと今思う。ドンドン和尚は何事も「わっはっはっ」と笑い飛ばしていた。


もう何年も前にそうした思い出を手元に置いておこうと、オークションでその2つの作品を手に入れようしたことがある。その時「ほらふきドンドン」は当時物しか出品されていなくて、痛んでいる割に値段が高くて手が出せず、「パットマンX」の復刻版を1冊だけ入手した。そんなこともあったせいか、なんとなく「ほらふきドンドン」の方が「パットマンX」よりも先に出会った古い作品だと思っていたが、ウィキペディアで調べると「パットマンX」の方が先に連載が始まっていたらしい(パットマンX/1967-68年、ほらふきドンドン/1969-70年)。

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先生はその後、ギャグ漫画を離れて大人社会の裏側を題材にしたサスペンス風の漫画を描くことになるのだが、その頃の作品にも思い出がある。絵を描くのが好きだった私はハガキに漫画のイラストを描いて雑誌に送ったりしていたのだが、そうして送られてきたイラストから優秀なものを数枚選び巻末のコーナーに掲載する習慣がどの漫画雑誌にもあった。その中でも少年キングに載るのは他の雑誌に比べて難しかった。少年キングでは掲載されたものにコメントが付くのだが、普通に描くだけでは評価されない。何かしらコンセプトが必要なようで、構図なり表現なりに元の漫画やシーンを解釈した意図が感じられるものしか評価されていない。私は少年キングに載るために思案した末、ジョージ秋山先生の社会派サスペンス漫画に狙いを定めた。焦る表情の主人公を対角線上の斜めに配置して手前に描き、その背景をガラスが割れたような形で3つくらいに分割して主人公を脅かすクセのある登場人物たちを配置した。


幼心にちょっとベタな構成だなとは思いつつ、それ以外のアイデアが浮かばなかった。墨汁でペン入れをして送ったら、それが見事に掲載された。1等賞ではなく確か佳作という3番目くらいの位置付けだったと思うしコメントも辛口だったと記憶するが、キングに掲載されるという目標がかなって嬉しかったし、自分の中でちょっとした誇りだった。12、3㎝ほどの小さな盾も送られてきて大切に飾っていた。


私が描いたあの漫画はどの作品だったのだろう?「アシュラ」か、「銭ゲバ」か、実はよく覚えていなくて確かめようとウィキペディアを見て驚いた。「アシュラ」も、「銭ゲバ」も、少年キングの掲載ではなかったのだ。


しかもその頃に少年キングに連載された作品が一つも書かれていない。ネットを検索してみたが私が描いたと思われる作品が見当たらない。「ザ・ムーン」という作品の中高生風の主人公は似ているが、何やらロボットが出てくる作品のようなので違う。これはどういう事?もしかして、ずうっと少年キングと思っていたのが間違いで、少年サンデーか何かだった?


いろいろ考えているうちに突然思い出したのが、当時ジョージ秋山先生から、応援ありがとう、というようなハガキをいただいた事だった。盾と一緒に送られて来たのか違う機会にいただいたのか思い出せないが、漫画の主人公の絵と先生のコメントが書かれたハガキだった。よく考えれば、私がイラストで描いたと思っていた中高生風の主人公は、そのハガキに描かれたものだったかも知れない。それは残念ながら直筆ではなく印刷だったのだが、やはり嬉しくて大切にしていたことは思い出したし、大学時代の下宿にも飾っていたような気もする。しかし、どうも記憶がごっちゃになって、よくわからなくなってきた。背景にサングラスの男は描いたと思うが主人公はあやふやだ。盾もハガキも手元にないし、実家にあるかも知れないが阪神淡路の震災で失くしているかも知れない。


とここまで書いて、ふと昔の年賀状入れにはいってないかと思い調べたら、、、出てきた!いただいたハガキが。

漫画家ジョージ秋山先生の訃報_f0189227_12052385.jpg

少年ジャンプ新連載の案内だったのだ。昭和48年(1973年)8月5日の消印だから11歳の時。単独に送られてきているのでイラストが掲載された後のことだろう。主人公の配置は記憶と違っているので、記憶のものはやはり自分で描いたイラストだったかも知れない。


改めてネット検索してみると、その頃少年キングに掲載していたと思われる「ギャラ」という作品があることが判った。社会派漫画のようなのでこの作品である公算が高い。どこかで記憶を捏造してしまったかと焦ったがそんなことはないようだ。ただ、確たる証拠もないので、ちゃんとした年表に当たって調べてみたい。

ジョージ秋山先生に限らず漫画家の先生方は、当時思いの外たくさんの作品を描かれていて、幼い我々はそこからいろいろなものを享受していた。これを機に受け取ったものをもう一度検証してみたいと思う。(n.m.)


# by matsuo-art | 2020-06-09 12:06 | その他