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「國府理 未来のいえ」西宮市大谷記念美術館

先日の日曜日に、西宮市大谷記念美術館「國府理 未来のいえ  OSAMU KOKUFU:COSMOSPHERE」展に行ってきました。
京都市立芸術大学大学院彫刻修了の國府理氏は、自動車、自転車、バイクなどの乗り物をモチーフとした立体作品で注目されている作家です。最近特に精力的に発表されているように思いますが、数ヶ月前には、当研究室すぐ近くの高架下、モトコーのスペースでも作品展示されていました。
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プロペラが付いた自動車や自転車など、実際に駆動するという作品群はどこかノスタルジックな趣で、宮崎駿氏のアニメに出てくる乗り物を連想させます。かつて宮崎氏が歴史の中で淘汰された乗り物たちへの愛着を語っていたことを思い出しましたが、決して大量生産されることのないこれら作品の中にも実は、淘汰されてしまったものに潜む可能性があるのではないか、そのようなものを掘り起こすイマジネーションの実験のようにも見えました。
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作品の置かれ方が美術館の展示室とうまく合っていると思ったのですが、それぞれの作品サイズに合った空間、壁に取り付けられた自転車の効果的な展示、動物に模した作品(イメージ性が勝ることで他の作品より弱く見えてしまいそうな)を照明を落とした暗い部屋に置くなど、展示の工夫も感じました。
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「水中エンジン」は、タイトル通り水中で車のエンジンを稼働させる作品ですが、トラブルが発生した様子で、作家ご本人が水を半分抜いて調整をしているところでした。30分くらいで治りそう、ということなのでもう一周して戻ってきたら動いていたので、修理の様子と稼働の様子と両方見ることが出来たという意味では得した気分。
この「水中エンジン」や展覧会タイトルにもなっている「未来のいえ」のような植物を使った近年の作品は、3.11以後の環境問題も想起させます。
展覧会は7月28日(日)まで、です。(n.m.)

by matsuo-art | 2013-07-18 22:06 | 展覧会  

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